コオリ埼灯台
こおりさき とうだい
 39°00' 55"N,  141°45' 43"E
 白色 塔形 コンクリート造
 単閃白光 毎4秒に1閃光   5,800カンデラ
 光達距離 19海里
 地上~灯火:12.4m、水面~灯火:48m
 初点灯 大正11年3月  昭和28年1月 改築

道路から近いコオリ埼灯台と碁石埼灯台は、山形・秋田の灯台めぐりみたいだ。
時間的には、あと数基訪問できたが、それをすると日程が余る。 綾里埼灯台訪問を終えて既に2日分前倒しで進行している。
コオリ埼灯台は長崎という集落の 「裏山の灯台」 だ。 裏山に、カメラを構えるスペースはない。
3人連れのおばさんが口をそろえて登り口を教えてくれる。 「うん、そこから、そこから」
昭和28年に改築されているが、大正11年に初点灯の歴史がある灯台だ。

首埼灯台
こうべさき とうだい
 39°06' 12"N,  141°55' 15"E
 白色塔形コンクリート造
 単閃白光 毎5秒に1閃光   5000カンデラ
 光達距離 20海里
 地上~灯火:10.5m、水面~灯火:124m
 初点灯 昭和33年12月

首埼灯台を訪れた方々の訪問記を読めば、みなさん、片道1時間半前後の歩行を強いられている。
北里大学の三陸キャンパスを過ぎて、どこまで車が入るかが、楽に行けるか苦労するかの分かれ目だ。
私は小壁漁港への分岐で通行止めだったから最悪だ。
林道の半分は、多少の崩落があるものの、交通を阻害するほどのものではない。
道路の半分以上が陥没している地点の近くには駐車スペースは十分にあるから、そこで通行止めにすればいいじゃないか!

てくてく歩いて行程の半ばで首埼灯台を遠望できるポイントがある。
そこで灯台を見なければよかったのに、と誰もが思うらしい。 あまりに遠すぎるのだ。
その地点から先は、期待した通りの林道は荒れてくる。 陥没地点から先に車が入っていないからだ。
平坦な林道だから、歩くのは楽だが、灯台が近づいているんだ、という実感が伴わないのが辛い。

やっとの思いで灯台にたどり着くと、灯塔に、縦一列にはめ込まれた明かりとりのガラスが特徴的だ。
灯台に近づいたとき、太陽は燈台の向こう側にあって、ガラスがキラキラと輝いて見えた。
とても荘厳に思えた。 ひれ伏すほどではなかったが‥‥。

御箱埼灯台
おはこさき とうだい
 39°20' 49"N,  141°59' 54"E
 白色塔形 鉄筋コンクリート造
 群閃白光 毎15秒に4閃光   4000カンデラ (12M)
 光達距離 18海里
 地上~灯火:9.5m、水面~灯火:71m
 初点灯 昭和33年1月  昭和57年11月 改築

御箱埼灯台を3年前に訪問した先達は、「大部分が砂利道で悪路だが、灯台間近かまで車で行けそう」 と書いておられる。
物事に慎重そうな先達が 「車でいけそう」 とおっしゃるなら、猪突猛進の私は 「行けるんだ!」 と読む。
この日のために、灯台巡回車は4WDだ。
陸中尾埼灯台を訪問するときの体力を温存するために、車で挑んだ。 正確には、車で挑めるところまで挑もう、と。
日産セレナの4WDの能力と、大型免許を持っている私の力量で (笑)、灯台間近かの地点に到達したが、
無事に行って帰れて良かった。 これが実感だ。

神社の赤い鳥居から、歩けば片道1時間超だ。 車だと早くて楽だが、田舎道に慣れている方以外には勧められる道ではない。
それでも、灯台めぐりの道としては車の幅があるだけいい方だ。
あとは対向車が来ない幸運に恵まれれば、灯台までは遠いけど早い。
今にして思えば、車で赤い鳥居をくぐるのに一番神経を使ったようだ (笑)

トドヶ崎














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苦労して訪問した灯台には
証拠写真が必要だ。
自分自身の御褒美に‥‥。

小泊岬北灯台に続く、灯台訪問記念写真と言う名の証拠写真 →
竹の杖には鈴が付いている。
「クマ出没注意!」 の看板は、至る所で見かけるが、
実際にクマが出てきたら、どうしろと言うんだ!(笑)
灯台ファンの小市民には、
鈴の音を聞いたクマが、逃げてくれるのを祈るしかない。

ミスに起因する難行苦行の灯台往復を強いられているときに限って、
今日まで一度も降らなかった雨に見舞われた。
雨に加えて、大量の汗が目に入ってたまらない。
こんな時に限ってタオルをザックに入れ忘れている!
大好きだった赤と黒のラガーシャツの袖を切り裂いて鉢巻きにした。
記念に、灯台脇の松の枝にくくりつけて来た。 
私の分身だが、強い山背が3回も吹けば吹き飛ぶだろう。

三陸海岸沿いの道路では、いやというほど目に入る標識だ。
入江の奥の集落を抜けて山道にさしかかると、
どうしてこんなに高い場所に !? という地点に標識は立つ。
明治三陸地震では綾里で38mの津波を記録し、
昭和8年の三陸地震では、
同じ綾里で28.7mの津波を記録しているのだ。
津波におびえる三陸の方々の心労には、言葉が浮かばない。


碁石埼

御箱埼

大船渡
   ●

岩手の灯台2

2010. 5. 7 ~ 8

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次ページは 「宮城の灯台1」 です。

碁石埼灯台
ごいしさき とうだい
 38°59' 00"N,  141°44' 42"E
 白色塔形
 群閃白光 毎13秒に3閃光   6,000カンデラ
 光達距離 17海里
 地上~灯火:10.5m、水面~灯火:39m
 初点灯 昭和33年1月

このページに掲載する6基の灯台を訪問するのに二日かかっている。
山形 ・ 秋田では2ページに12基の灯台を掲載して、訪問は一日で済ませている。
陸中 ・ 陸前の海岸線は、爆走男が爆走できないほど、灯台往復に時間と体力を消費させる海岸なのだ。

碁石灯台は碁石海岸という公園の灯台だ。 陸中尾埼灯台で難渋し、首埼灯台で歩きつかれたご褒美みたいな灯台だ。
綺麗に整備され、眺望も申し分ない。 こういう灯台を訪れるとホッとする。

綾里埼

コオリ埼

綾里埼灯台は岬の先端の海抜90mの高さに建っているが、
半島の付け根の綾里湾では、昭和8年の地震で30m近い大津波が押し寄せている。
灯台から見はるかす大海原は何事もなかったかのように平穏だが、牙をむく時があるのだ。 リアス式海岸の宿命だが‥‥。

綾里埼灯台
りょうりさき とうだい
 39°01' 36"N,  141°51' 12"E
 白色塔形コンクリート造
 単閃白光 毎15秒に1閃光   80000カンデラ
 光達距離 26海里
 地上~灯火:18.7m、水面~灯火:112m
 初点灯

綾里埼灯台は、「全国燈台紀行」 を著しておいでの石松翁をして、「二度と行きたくない灯台」 と言わしめた灯台だ。
翁の訪問記を読んだ5年前から、厄介そうな灯台の一番手に挙げていた灯台だ。
キーボードで 「りょうり」 と打てば 「綾里」 と出てくるほどになっても、行きたくない灯台って、私にもある。

ところが、案ずるより産むが易し、
半島の周回道路である林道は、首埼の林道のように意地悪くなく、お好きにどうぞ、と門戸を開放してくれている。
灯台巡回車が4WDだから可能だったのだが、岬の先端まで車を乗り入れた。
そこから灯台までは100mの高度差を下って行って、登って帰るのだが、これは、灯台めぐりでは当たり前のことだ。
林道を車で走れて、体力的にはとても楽だった。ただし、灯台巡回車は泥んこだ。

石松翁には申し訳ないが、私はもう一度行ってもいい (笑)
この3日間で、一番辛かったのは陸中尾埼灯台。
次いで首埼灯台。 3番目が魹ヶ埼灯台。 結果論だが、綾里埼灯台と御箱埼灯台の訪問に、悲壮な覚悟は必要なかった。
何が何でも車で行くんだ、という無謀ささえあれば‥‥ (笑)

陸中尾埼灯台
りくちゅう おさき とうだい
 39°14' 42"N,  141°58' 25"E
 白色塔形 鉄筋コンクリート造
 群閃白光 毎20秒に2閃光  120,000カンデラ
 光達距離 20海里 (約37km)
 地上~灯火:14.73m、水面~灯火:114m
 初点灯 昭和26年12月24日

御箱埼灯台で灯台近くまで車を乗り付け、歩く苦労をせず手を抜いた分だけ、陸中尾埼灯台では痛い目に遭った。
地元の方に聞いたら、陸中尾埼灯台への東北自然歩道はウォーキングのコースらしい。
それは、釜石港から不定期の船で、行程の5分の2の地点(青出浜) まで行き、
そこから陸中尾埼灯台がある半島の先端まで歩けば、の話だ。
不定期の船を利用できないフツーの灯台ファンは、半島の付け根の尾崎白浜から全行程を歩かざるを得ない。
尾崎白浜 ~ (50分) ~ 青出浜 ~ (70分) ~ 陸中尾埼灯台
これが、道中の標識にも記された公式の所要時間だ。 大筋で間違っていない。

体験者として断言するが、尾崎白浜~青出浜間は登山コースだ。 青出浜~灯台間はハイキングコースだ。
事前に、何年か前に陸中尾埼灯台を訪問した灯台ファンの訪問記を読んでいたら、
「自業自得だが、私はとんでもない目に遭ってしまった」 と書いておいでだ。 自業自得が何を意味するのかは知る由もない。
ただ、私も、なんとも情けない、馬鹿馬鹿しい、愚かなミスを犯した。
灯台めぐり歴から抹消してしまいたいようなミスで、恥ずかしくて人に言えない。
陸中尾埼灯台への道々を振り返って一行詩にすれば   可笑しゅうて やがて哀しき 尾埼道  とでもなるか (大笑)

首埼

陸中尾埼

釜石●

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