大戸瀬埼灯台
おおとせさき とうだい
 40°45' 45"N  140°03' 41"E
 白色 円形 コンクリート造
 単閃白光 毎12秒に1閃光   100,000カンデラ
 光達距離 20海里(約37km)
 地上〜頂部:13.4m、水面〜灯火:54.3m
 初点灯 昭和37年12月20日

国道101号を北上すると、道路案内でやたらと 「千畳敷」 の地名が表示されている。
海底が隆起して、岩盤が波に削られて平らになった地形だ。 別に珍しくはないが、この地方では有名なのだろう。
灯台は、千畳敷を見下ろす高台に建つ。 麓には五能線の千畳敷駅があり、トンネルがある。 灯台はトンネルの上方だ。
階段がついているので、階段を登る。

灯台敷地は平坦な農地の中にあって、悲壮感の漂わない、のんびりした灯台だ。
灯台の南方には立派な道路があって、車で灯台まで行けるのだが、灯塔を見つけてしまうと、遮二無二最短距離を登ってしまう。
次には小泊岬の南北の灯台2基が控えているから、階段を登ったのは準備運動を兼ねてでもある。

艫作埼灯台
へなしさき とうだい
 40°36' 36"N 139°52' 02"E
 白色 円形 コンクリート造
 単閃白光 毎10秒に1閃光   770,000カンデラ
 光達距離 21.5海里(約40km)
 地上〜頂部:23.7m、水面〜灯火:68m
 初点灯 昭和16年9月15日

下関の爆走男は、朝、鼠ヶ関灯台を発って、山形・秋田の11基の灯台を訪問し、青森の艫作埼灯台にたどり着いた。
青森にはビッグネームの灯台が多い。 それらは主に津軽海峡を照らしている。
が、県の西南には艫作埼灯台が、東南にはさ目角灯台が、堂々たる体躯で立っている。

艫作埼灯台は、その生い立ちからして素晴らしい。 初点灯は昭和16年9月15日。
昭和16年はどうでもいいが、9月15日という日付がいい。 誰かの誕生日と同じなのだ (笑)
この日に生まれたものは、灯台であれ人間であれ 「イイヤツ」 にきまっている (大笑)

龍飛埼

小泊岬北















大戸瀬埼

5月2日

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小泊岬北灯台―――。
二度と行きたくない灯台だし、二度と行かない灯台だろうけれど、行って良かった灯台だ。 苦労した分だけ、心に残る灯台だ。
もう一度訪問する機会を与えられたら‥‥? もちろん行く! (笑)

この灯台を訪問して 「東北の灯台を回ってきました」 と言える。 私の灯台めぐりの歴史に、燦然と輝く灯台だ。 
しかし、辛かったぁ〜っ ‥‥‥‥。

次ページは 「青森の灯台2」 です。

翌朝は風も収まって、弁天島への橋を渡る。
鋭くとがった岩山を登りつめてたどり着いた灯台は、赤帯を2本巻いた複雑な形をしている。
小樽の日和山灯台をコンパクトにしたみたいだ。 一度見たら忘れられない灯塔だ。
4時半に動き出しているから、今度は日の出を待つ。 灯台めぐりをしていれば、夕陽と朝日を眺める灯台の1基や2基はある。
その灯台には、親しみの度合いが深まるのは必然だ。
鳥居埼灯台で迎えた5月2日は、私の灯台めぐりの歴史でもっとも過酷な一日になるのだが‥‥。

ところが、灯火の点滅を観ながら寝ようとしたら、とてもそんな状況じゃない。
例年より10日以上も遅れた 「雪融かしの南風」 は、とてつもない強烈さだ。 
四角い灯台巡回車が横倒しになるほど揺れる。 駐車場内で風の弱そうなところを探して3度場所を変えた。 孟母三遷、だ。

5月1日

2010年5月1日。 波渡埼灯台(山形)を真横から照らした朝日は、
鳥居埼灯台(青森)で日本海に沈んだ

鳥居埼灯台
とりいさき とうだい
 40°44' 39"N  140°00' 13"E
 赤白横線 塔形
 群閃白光 毎8秒に2閃光   5,000カンデラ
 光達距離 15海里
 地上〜頂部:10m、水面〜灯火:27m
 初点灯 昭和41年
 

鳥居埼に五能線の駅はない。 それほど、山が海にせまり、海岸線沿いに細い幅で民家が並んでいる。
五能線の駅はないけど、道の駅がある。 灯台めぐりには好都合で、山、五能線、国道(道の駅)、港、弁天島の灯台と並ぶ。
道の駅 「ふかうら」 ほど、灯台めぐりの車中泊に適した立地は少ない。

第3等大型レンズ (入道埼灯台資料館)

鳥居埼

艫作埼

山形県

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小泊岬北灯台
こどまりみさき きた とうだい
 41°08' 09"N  140°15' 36"E
 白色 塔形
 単閃白光 毎4秒に1閃光   5,800カンデラ
 光達距離 20海里
 地上〜頂部:10m、水面〜灯火:89m
 初点灯 昭和6年2月  昭和39年11月改築

二度と行きたくない灯台だ。

かつては、東北自然歩道として、それなりに整備された道だったのだろう。 
しかし、岩場に設けられた桟道は波に洗い流され、礫石と岩場をの困難な歩行が続く。
曲がりなりにも道らしいものが続くのは全行程の 2/3 までだ。 そこで浜伝いの道が無くなり、登山路となる。 
しかしその登山路は、迂回して小泊岬南灯台方面へのハイキングコースだ。 私は間違えて山道を登った。
天の助けか、山を下りてくるご夫妻と会って、間違いが分った。 5分のロスで済んだ。

踏み跡もない浜辺を岩伝いに歩きながら、10分もすると最大のピンチが訪れる。
右は海。 左は崖。 真ん中を二つの岩が通せんぼ。 二つの岩のつなぎ目に、身長よりも高い鞍部がある。 
が、乗り越えられそうにない。 2・3分考えこんだ。 To be, or not to be,‥‥ (笑)

地元の釣り人も、この岩から先には行かない、行けない、と言う岩だが、意を決して、岩にしがみついた。 擦り傷を負いながら。
ここで引き返したら、初点プレートマニアの沽券にかかわる。
下関から来た目的の一つは、小泊岬北灯台の初点プレートじゃないか! まぁ、成せば成る、けど (笑)
それからも難行が続いて、最後は海岸から80mの直登が待っているが、先ほど、立ちはだかった岩に比べれば屁ともない。

艫作埼灯台の灯器は、かつて第3等大型レンズ (2面) が使われていたという。 現在、入道埼灯台に保管展示されている。
それに代わるのがLU−M型灯器で、東北の灯台では初めて採用されたというが、
そんなことを喜ぶのは海保の関係者だけで、灯台ファンとしては第3等大型レンズが鎮座する灯室を見たかった。
艫作埼灯台の堂々たる体躯には、大型レンズこそがふさわしい。

青森の灯台1

2010. 5. 1 〜 2
小泊岬南灯台
こどまりみさき みなみ とうだい
 41°07' 5"N  140°15' o1"E
 白色 円形 コンクリート造
 等明暗白光 明3秒暗3秒
 光達距離 14海里
 地上〜頂部:13.m、水面〜灯火78m
 初点灯 昭和39年11月

いよいよ来た! 小泊岬! 「奥の磯道」 前段の正念場、だ。
小泊岬南灯台に関する、幾つかの灯台訪問記を読ませてもらっていたから、相当な覚悟と決意を持って臨んだ灯台訪問だ。
が、杞憂だった。
確かに、車を停めて数分も歩けば道は途切れる。 浜辺の礫石を踏み、岩から岩への伝い歩きで磯を横切る。
しかし、肝心な場所には鉄製の橋が架けられていて、波打ち際の岩場から70mの直登の急斜面には立派な階段がついている。
問題は、70mの急階段を登り切る意志があるかないか、だけだ。

廃れてしまった道、礫石の浜辺、断崖下の岩場など、田舎で生まれて育った私から見れば立派な道だ。
それが証拠に、小泊岬南灯台下の岩場まで、釣り人は行っている。 釣り人が果敢なのには脱帽する私だが‥‥。
灯台から仰ぎ見ると、100mを超す岩肌は今にも崩れ落ちそうで、下を見下ろせば岩を食む波が渦巻いて、ロケーションは最高だ。
思っていたよりも容易に訪問できて、これなら機会があれば再訪したい灯台だ。

小泊岬南

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