大須埼灯台まで南下すると
金華山の島影がはっきりとわかる。
さらに南の白銀埼まで来るとなおさらだ。
金華山の頂に登るわけではないが、
灯台までの長い道程を思うとき
島影を見て、最後の気力を振り絞ろう! と。

白銀埼灯台
しろがねさき とうだい
 38°29' 36"N, 141°32' 19"E
 白色 塔形 コンクリート造
 郡閃白光 毎13秒に3閃光   5,800カンデラ
 光達距離 17海里
 地上〜灯火:10.5m、水面〜灯火:38m
 初点灯 昭和32年12月  昭和26年3月 改築

県道沿いに大須埼灯台と白銀埼灯台は10kmの距離で並んでいて、訪問するなら、明るいうちに白銀埼灯台の方がいいかも。
灯台への道は白銀神社への賛同だ。 うっそうと茂った木立の下の参道は暗く、あまり心地よく歩ける道ではない。
白銀神社の名の通り、ご利益の多い神社で信者も多いのか、けばけばしい朱塗りの門の前を通れば灯台はすぐだ。 
それでも、神社から灯台まで
10分はかかる。

大須埼灯台
おおすさき とうだい
 38°31' 31"N,  141°32' 52"E
 白色 塔形 コンクリート造
 等明暗白光 明2秒暗2秒   14,000カンデラ
 光達距離 19海里
 地上〜灯火:12m、水面〜灯火:50m
 初点灯 昭和24年9月  昭和26年3月 改築

大須埼灯台がある半島を雄勝半島という。 半島の先端は大きく三つの岬に分かれ、半島の付け根よりも先端の方が大きい。 
中央の岬が大須崎で、南が白銀崎。 たいして大きくもない半島に沿岸灯台が2つもある。
効率的に灯台めぐりが出来る、いい半島だ。
県道を進めば木立の上に灯台の塔頂部が頭を出しているが、最短距離の道はない。 
広い道を選んで進めば大須の漁港に出る。 漁港からも灯台を仰ぎ見ることはできる。

漁港から細い坂道が伸びていて、車で行けそうだが、地元のおっちゃんが 「車では行けないよ」 というから歩く。
実際は、灯台の標識まで車で行ける。 畑越しに見る大須埼灯台はかなり立派だ。
灯台敷地はきれいに整備されていて、灯台からの眺めもいい。
ここまで来ると、視線の先に探すのは金華山だ。 遠くに見える。 真下を覗くと大須漁港だ。














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早埼灯台への道は、
早朝のハイキングと思えば楽な道で、
記念 (証拠) 写真 を撮るほど困難ではないが

明治14年ころまでに初点灯した灯台の初点プレートは、
(形状は異なっても) この形を基本としている。
六連島灯台、部埼灯台、角島灯台など、
定期巡回している灯台はみんなそうだから、見ればホッとする。
この形のプレートを掲げた灯台たちは一様に美しい。
角島や尻屋埼のように立っても、部埼や金華山のように座っても
芍薬や牡丹のようだ。 灯台美の極致をブラントンに見る。

金華山灯台 初点プレート

陸前黒埼

次ページは 「福島の灯台」 です。

花淵灯台
はなぶち とうだい
 38°17' 28"N,  141°05' 17"E
 白色、円型、コンクリート造
 群閃赤緑互光、毎13秒をへだて7秒間に赤緑各1閃光
 光達距離 21海里(約39km)
 地上〜頂部:22.6m、水面〜灯火:63m
 初点灯 昭和39年10月27日

地形図を見ると、花渕崎というのがあって灯台記号がついている。 が、そこには灯台が無かった、‥‥と思う。
南に吠埼というのがあって、御殿山の山頂近くに灯台記号がついている。 ここに花淵灯台がある。
灯台横まで車で行けるのはありがたい。
灯台を取り囲むフェンスはかなり高い。 しかも、そのフェンスが燈光会の案内板に並行していて、読みづらくしている。
堂々たる体躯の灯塔で立派な灯台だ。 ただ、灯塔が高いから、狭い敷地では撮りにくい灯台だ。

早埼灯台
はやさき とうだい
 38°23' 48"N,  141°32' 27"E
 白色 塔形 コンクリート造
 単閃白光 毎4秒に1閃光   5,800カンデラ
 光達距離 20海里
 地上〜灯火:12.6m、水面〜灯火:95m
 初点灯 昭和28年3月  昭和56年3月 改築

私が灯台めぐりを計画する時、全ての灯台の地形図を印刷する。 印刷する時の印象は、いくつかに分類される。
「この灯台、印刷するまでもない」 から 「この灯台、行きたくない」 まで。
灯台に至る道の難易度を想像して、5段階くらいある。 
早埼灯台は、4段階くらいだ。 「この灯台、行かずに済むなら、行きたくない」

まず、寄磯浜の漁港で道を確認した。 始めに会ったお爺さんは、あまり要領を得ない。
波止場の先の方に5人ばかり、男性が居た。 私より少し若い。 この人たちは道に詳しかった。
岬のかなり先端まで (地形図にも記載してある) 林道があるそうだ。 
でも、途中までしか車は入れない、という。  なに、シッカリした林道があるだけでも御の字だ。

林道入り口は、寄磯浜の漁港からかなりバックしなければならないし、
東森山の中腹を巻いて走っても通行止めの場所は寄磯浜の集落のすぐ上だ。
ただ、こうして迂回すれば、70mの高度差が稼げる。 歩けばひと汗かくところだ。
林道の終点に、ステンレス(?) でまぶしく輝く器物が立っている。 GPS機動連続観測点、と書いてある。 
その地点から灯台は確認できるけど、距離がある。 斜面を下ってまた昇らなければならない。 灯台では当たり前だけど。
車ならあっという間の林道を、てくてく歩くのはあまり好きじゃない。
道がしっかりしている分だけ、時間さえかければ到達は容易な灯台だ。

宮城の灯台2

2010. 5. 9 〜 10

角島灯台、尻屋埼灯台と同期生だ。 北米航路の舟人は、金華山灯台の灯に、日本に帰ってきたと感慨を催すという。
波止場から、陸路歩いてきた私だって、荒涼とした崖の上に金華山灯台を見たら感慨を催す。
無人となった金華山灯台で、息せき切って歩いてきた私を出迎えたのは2匹の鹿。

陸前黒埼灯台
りくぜん くろさき とうだい
 38°16'12"N 141°31'20"E
 白色塔形 コンクリート造
 等明暗白光 明2秒暗2秒  10,000カンデラ
 光達距離 20海里
 地上〜灯火:11.4m、水面〜灯火:65m
 初点灯 昭和4年7月  平成3年1月 改築

金華山にわたる定期船は、鮎川港を出たら、陸前黒埼灯台が立つ黒崎を大きく迂回する。
船から灯台が見える。 が、あまりにも小さい。
鮎川港から灯台までは10分もかからない。 牧草地の中を進めば灯台だ。 途中で金華山が一望できる。

長い距離を歩いとこともさりながら、
速く歩いたことの記念 (証拠) 写真だ。
金華山灯台
きんかざん とうだい
 38°16' 15"N,  141°35' 15"E
 白色、塔型、花崗岩造
 第2等、単閃赤白互光、毎20秒に赤1閃光白1閃光
 光達距離 20海里(約37km)  320,000カンデラ
 地上〜頂部:12.82m、水面〜灯火:54.6rm
 初点灯 明治9年11月1日

金華山への定期船が出る鮎川港に着いたら、駐車場への誘導など、やたら親切だ。
30分ほど時間をずらして定期船を出して競合している2社の客引きか? 9時の第1便に間に合った。
切符売り場で、熊避けの鈴をつけた杖を持った私の服装を見て 「金華山に登るのか?」 と聞くから、「灯台に行く」 と答えたら、
「帰りの最終便まで、あまり時間が無いよ」 続けて、「最終便に間に合わなかった時のためにケータイの番号を教えて」 という。
どんな、交通辺鄙なところに私は行こうとしているのか!

金華山の観光案内図をみると、港から灯台まで、片道150分、とある。 往復で300分、5時間だ!
第1便で島に渡って、歩き始めるのが9時30分。 帰りの最終便は13時。 その間、3時間半。 
灯台に30分いるとして、3時間で往復しなければ!

歩いた。 脇目も振らずに歩いた。 ひたすら歩いた。 ただ歩いた。 私の人生で、こんなに速く、長い距離を歩いたことが無い。
60分歩いても灯台は見えない。 見えないから、余計ヤキモキする。 最後の岬を回って、やっと見えた。
波止場から歩き始めて、灯台到着まで70分経っていた。 還暦過ぎたオジサンとしては上出来だろう。

大須埼

白銀埼

早埼

花淵

金華山

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