佐渡島の灯台めぐりを終えて乗った船は姫埼灯台とおけさ灯台の灯に見送られて、新潟に向かい、
おけさ灯台の灯が見えなくなったら、弾埼灯台の灯がそれにとってかわった。
新潟港に上陸して、夜道を南西に向かった。 目指すは角田岬。
走りながら 「宝塚出身で、越路吹雪っていたなぁ。 越路ってどこからどこまでだ?」 などと考えていた。
越路は北陸道の古称だから、角田岬から能登半島の付け根の灯台めぐりは 「越路の灯台めぐり」 と洒落こもうか。

のおこう
能生港灯台
 1296
 北緯 37°06' 5", 東経 137°59' 6"
 白色 円塔形 コンクリート造

 単閃白光 毎4秒に1閃光
 光達 12海里
 地上〜頂部:8.7m、水面〜灯火29m
 初点 昭和26年11月

能生港の西にある弁天岩に立つ灯台。 橋は無料で渡れる。
佐渡の尖閣湾の佐渡大埼灯台以来、橋が架かっていたりすると 「また、有料か?」 と一瞬身構えるようになった。
赤い鳥居に守られた灯台。 灯台と鳥居、たまに見かける組み合わせだが、できれば鳥居は無い方がいい。
しかし、弁天岩に神様をお祀りしているために橋が架かって、灯台まで歩いていける。

B

大正15年に、地元が鉄造四角形のやぐらを組んで、20mの灯柱を立てたのが始まりだという。
その後、昭和26年に海保が現在の灯台を建てたのだが、地元から愛され大事にされているのだろう、
敷地には雑草一本生えていない。
私の好感度からは群を抜く存在だ。 惜しむらくはロケーションが‥‥。 生地鼻灯台が50選に入らないのがおかしい。

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 LIGHTHOUSE
 「わたしの」 燈台
 灯台地図
 灯台めぐり 目次
 荒凪灯台紀行 表紙
 燈台讃歌 
 荒凪灯台紀行 表紙
 小佐渡の灯台
 大佐渡の灯台
 新潟〜富山湾の灯台
 能登内浦の灯台
 能登外浦の灯台
 石川〜越前海岸の灯台
 敦賀湾〜宮津湾の灯台
は現在地です

いくじはな
生地鼻灯台
 1290 [F7137
 北緯 36°53' 9", 東経 137°24' 7"
 白地に黒横帯2本色 円塔形 コンクリート造

 単閃白光 毎10秒に1閃光
 光達 16海里
 地上〜頂部:30m、水面〜灯火33m
 初点 昭和26年2月11日

堂々たる灯台で、(私が大好きな) 白地に黒帯2本を巻いている。
佐渡から能登へと移動する途中で、こんな立派な白黒縞模様に出会えるとは感激だ。
かつては海岸に立っていたのだろうが、護岸が進んで海から退いてしまっている。
それでも周囲の建物から抜きんでた灯台の高さだ。

椎谷鼻灯台と似た形状の灯塔だ。
灯台めぐりをしていると、似た形の灯台が比較的近くに配置されているのに時折出くわす。
隣り合わせということはないが。北海道では、ポンモシリ岬灯台と本目岬灯台とがそうだった。
同じ管内に建造すれば、似たものになるのだろうか。 お手軽に一丁上がり、か。

形状は椎谷鼻灯台を一回り大きくした、というよりも、あとから建てた椎谷鼻が鳥ヶ首岬を一回り小さくしたというべきか。
昭和41年まで名立灯台と呼ばれていたこの灯台は、佐渡島と能登半島の中間に位置する、光達距離の長い灯台だ。
訪れた日は、麦わら帽子が吹き飛ばされそうな強い風が吹いていた。

角田岬灯台から椎谷鼻灯台の途中で出雲崎を通過した。 日系3世の歌手が唄った 「海雪」 の歌詞に出てきた地名で、
出雲崎の所在がてっきり島根県だと思い、島根のの海岸を探した人がいた、という笑い話を聞いた事がある。
その出雲崎の防波堤で白黒の縞模様を見つけて感激して写真に撮ったが、灯標だった。 灯標なら、黒い塗色は珍しくない。

私は白黒縞模様の灯台が好きで、これまでに見た中では、北見神威見埼灯台、能取見埼灯台が双璧だ。
白黒縞模様の塗装には、氷雪の厳しさに耐える力強さがあって、いい。

かくたみさき
角田岬灯台
 1312 [F7117]
 北緯 37°47' 6", 東経 138°49' 2"
 白色 円塔形 コンクリート造

 群閃白光 毎20秒に2閃光
 光達 19海里(約35km)
 地上〜頂部:13m、水面〜灯火:50m
 初点 昭和34年11月15日

夏は海水浴で賑わう角田浜に角田岬の岩山がある。 着いたのが深夜だから、灯台への登り口は見つからない。
夜目にも海水浴客相手の民宿が立ち並んでいるが、この季節はまだゴーストタウンだ。
広い駐車場の一角に車を止めて、旋回する光芒を眺めながら眠った。 朝起きると、登り道がはっきりとわかる。
灯台に着いたら、この灯台には登り口が何と3本もある!
遠く佐渡島が望める。 角田岬が海峡の最狭部で、その距離33km 。
この灯台の灯火は光達19海里だから、条件が整えば佐渡からも見える灯だ。

灯台めぐりの先達 ・ 石松翁が訪れた時は改築中だったので、私が見ている灯台と、先達がご覧になった灯台とは異なる。
この近くにはワイナリーの Cave d'Occi がある。 私は、そこの葡萄樹3本のオーナーだった。 10年間。
経営者の落氏とは、2度、ドイツとブルゴーニュのワイナリーツアーに行った。
久しぶりに立ち寄りたかったが、今は先を急ぐ。

@

ここ、柏崎地方の民謡に 「三階節」 がある。
   米山さんから雲が出た いまに夕立が来るやら
   ピッカラ シャンカラ ドンカラリンと 音がする
三階節でうたわれているように、この地域は雷の発生が多いところらしい。 かつては落雷に手を焼いた、と案内板にある。

@ 角田岬灯台

日本海

この地域を中越地震が襲ったのは、そんなに昔ではない。 その爪痕は、道路に入った亀裂として今も残っている。
灯台に行く道は封鎖されて、灯台下をトンネル工事が進行中だ。 大きく迂回する道をたどっても、灯台下までは行けない。
そこで、封鎖された道を歩かせてくれ、と工事の人に頼んだ。 簡単にOKは出た。
毎朝、関門トンネルでウォーキングをしていたから、歩くことは苦にならない。 程なくして着いた。

灯塔と呼ぶには特異な形をしているが、塗装が大きく剥がれている。
地震の名残かとも思ったが、付属棟を取り壊したまま放置されているみたいだ。
付属棟を取り壊したのが、地震のせいかどうかは知らない。

灯台に至る道は3本あって、
トンネルの西側出口からが
最も楽だが、
駐車のスペースがない
まぁ、海岸から登っても
わずか40mだ

しいやはな
椎谷鼻灯台
 1307 [F7119]
 北緯 37°28' 9", 東経 138°37' 3"
 白色 四角塔形 コンクリート造

 単閃白光 毎15秒に1閃光
 光達 19海里(約35km)
 地上〜頂部:8.3m、水面〜灯火:5m
 初点 昭和30年4月

G

A 椎谷鼻灯台














至る所で中越地震の被害があり
復旧工事がおこなわれていた

とりがくびみさき
鳥ヶ首岬灯台
 1301 [F7132]
 北緯 37°10' 3", 東経 138°05' 8"
 白色 四角塔形 コンクリート造

 単閃白光 毎5秒に1閃光
 光達 23海里
 地上〜頂部:12m、水面〜灯火82m
 初点 昭和27年3月29日

B 米山埼灯台

A

C 鳥ヶ首岬灯台

みやざきはな
宮崎鼻灯台
 1292
 北緯 36°58' 3", 東経 137°35' 2"
 白色 円塔形 コンクリート造

 群閃白光 毎11秒に2閃光
 光達 12海里
 地上〜頂部:15m、水面〜灯火108m
 初点 昭和34年1月

宮崎の町並みが終わるところに神社があり、境内に車を停める。
神社のわきから始まる自然遊歩道をたどるのだが、登り口に 「クマ出没注意」 の立て看板が。
少し登ると、また 「クマ出没注意」 の看板が。 根っからの臆病だから、車にとって返し、ナイフをベルトに吊るす。
ナイフを持ったところでなんの役にも立つまいが、クマと戦うためではなく、自分を鼓舞するためのおまじないみたいなものだ。

海岸から90mばかり登ることになるが、思ったより簡単に到達。
沿岸小型の灯台にしては立派な灯塔で、宮崎鼻沖ノ島照射灯を併設した昭和58年12月に改築している。

D 能生港灯台

E 宮崎鼻灯台

富山

F 生地鼻灯台

G 岩崎ノ鼻灯台

 荒凪灯台紀行 表紙
 小佐渡の灯台
 大佐渡の灯台
 新潟〜富山湾の灯台
 能登内浦の灯台
 能登外浦の灯台
 石川〜越前海岸の灯台
 敦賀湾〜宮津湾の灯台
は現在地です
よねやまさき
米山埼灯台
 1305
 北緯 37°19' 4", 東経 138°26' 3"
 白地に黒横帯2本色 円塔形 コンクリート造

 群明暗白光 明4秒暗1秒明1秒暗1秒
 光達 14海里
 地上〜頂部:14m、水面〜灯火95m
 初点 昭和44年12月20日

今回の灯台めぐりで初の白黒縞模様。
赤白縞模様、白黒縞模様が北海道の灯台の専売特許ではない。 越後は、名にし負う日本の豪雪地帯なのだ。

C

新潟

背後には、朝日岳から白馬に連なる山々を従えて堂々たるものだ

いわさきのはな
岩崎ノ鼻灯台
 1258 [F7160
 北緯 36°48' 5", 東経 137°03' 0"
 白色 円塔形 コンクリート造

 単閃白光 毎10秒に1閃光
 光達 16海里
 地上〜頂部:30m、水面〜灯火33m
 初点 昭和26年5月30日

これまた威風堂々とした灯台だが、登り口を探すのに手間取った。
地図を見ながらたどれば、なんなく見つけられる登り口でも、カーナビ頼りに進んで、「目的地近くです」  と放り出され、
周囲を見渡してもそれらしいものが見当たらないと、一瞬パニックになる。
灯台の周辺では人に出会うことも少ないから、尚更混乱する。
たまたま、散策途中の人に聞けたのは、日頃の精進の賜物だろう (笑)

越路の灯台 佐渡海峡〜富山湾

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