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南緯33度 「風の大地」 のワイン

9.89ペソ の値札が見える。
9.89ペソ ≒ 3.4USドル ≒ 360円
右の写真には特売の吊り下げ広告が写っている。
3.99ペソ ≒ 1.4USドル ≒ 147円
これが、ワイン生産高、世界5位のアルゼンチンで
生活にワインが密着した、ベースの部分だ。
交換レートは、3アルゼンチンペソが1USドルらしい。
ワインリストを見たら、100ペソを越すワインが少ない!
アルゼンチンの最初の夜だから、
「安心」 を最優先して、TRAPICHE を注文。
MEDALLA の下のクラスだから安い。
「まるべっく!」 といえばわかるからワインの世界はいい。
ホテルには帰ったものの、悪い癖が出て夜の街へ。
なんたってホテルの界隈はフロリダ通りという繁華街だけど、警戒心もあるからピザハウスみたいな居酒屋へ。
白赤のグラスワインを2杯ずつ飲んでホテルに帰ろうとした。
途中、プチ・ホテルのバーが見えた。 客はいない。 バーテンが所在なげに立っている。
カウンターの奥にはワインの瓶が並んでる。 ちょいと入ってみるか。
ブエノスアイレスで感激した LATITUD 33°も、当然並んでいる。
Cabernet Sauvignon  Malbec  Merlot  Syrah の4銘柄がある。
価格はみな同じ。 11.99ペソ ≒ 4.1USドル ≒ 440円
ブエノスアイレスで買い求めた1本は、結局、旅行中ずっと持ち歩き、はるばると日本まで旅をした。
私が参加しているワイン会のうち、高価格 (1万円前後) のワインが集まるワイン会に持参した。
居並ぶ、世界のそうそうたるワインたちの中で、しっかりと持ち味を発揮したことだけをご報告しておこう。
このワインは、日本では流通していない。
どうにかして手に入れたいワインで、あれやこれやの方策を考えている。
飲んだら、美味い!
色は若いカベルネそのものだ。 なのに、ぎすぎす、ざらざら感が無い。
口の中に広がるのは、ウ〜ン、ビロードの感じ?
のどに落とすのがもったいないくらい。
これが、ホテルのバーで 36ペソ !! 12USドル。 1300円弱。
ボトルに飲み残した半分は当然持ち帰った。 別に1本買い求めた。 この1本は日本まで持ち帰ることになる.。
着いたブエノスアイレスは快晴。 7月9日大通りのオベリスクが夏の終わりの日差しに映える。
カミニートの原色もまた、快晴の下ではなんとサマになることか。
駆け足で、通り一ぺんの市内観光を済ませ、ホテルで着替えてアルゼンチンタンゴのショーを観に市内へ。
300g ほどのアサード (牛の塩焼き) に舌鼓を打って、飲み放題のワインをしこたま。

飲みたい人間と売りたい人間がいれば、話は早い。
そのボトルがカウンターに運ばれた。
銘柄は LATITUD 33°品種は Cabernet Sauvignon  VTは 2004
造り手は BODEGAS CHANDON  所在は Mendoza

ブエノスアイレスから、宿泊地ははカラファテ、プエルト・ナタレス、プンタアレーナス、ウスアイアと続く。
全ての街で、スーパーストアに行った。 ワイン専門店があるような街でもなかったから。
スーパーのワイン売り場を見て驚いた。
まずは銘柄の多さと、並べられた本数。 下関の量販店に匹敵する。
もっと驚いたのは、ワインの安さ!
味わいは、まずまず。
しかし、これで切り上げるほどの満足感はない。
カウンターの奥の棚に酔眼を凝らすと、、
斬新なデザインで、やたら存在感のあるワインが立てられている。
数字の 「33」 が 「南緯33度」 を指しいるのはわかっているが
33をスペイン語でなんと言うんだろう? 指差すしかない。

LATITUD 33°Bodegas Chandon の HP は  こちら です。
アルゼンチンでは、(チリでも) 昼も夜も (当然のことながら) ワインを飲んだ。
年齢的に一回り上の麒麟さんと FUJI さんが飲み相手で、いつしか私がワインを選び、
代金は交代で払う、という仕組みが定着した。
アルゼンチンでは、ワインリストに LATITUD 33°が載っていると必ず注文したのはいうまでもない。
今回の旅行の満足の、かなりの部分を、安くて美味いアルゼンチンワインが占めているのは事実だ。
今後の、私のワインライフの結節点になったのも、また論を待たない。
アルゼンチンでカベルネは飲みたくないから、
Caberunet の部分を指差して 「まるべっく!」 と言ったが
西欧社会で共通の 「無い」 と言うポーズをとる。
仕方ない。 これを飲むか。
ソムリエナイフで開けるしぐさをしながら、発する言葉は 「抜栓!」
成田から NYJFK まで12時間。 乗り継ぐアルゼンチン航空を待つこと8時間。
そのうちの大雪になり、出発が3時間遅れてようやく離陸。
機内はがらがらで、4人分の座席で横になって眠れたから、ブエノスアイレスまでの12時間は
それほど苦にならなかった。
これなら、エコノミーもまんざら捨てたものじゃない。 それにしても、日本から地球の裏側のなんと遠いこと!

LATITUD 33°は買って持ち帰りたいワインの最右翼だった。
が、この価格を見て、気が変わった。
持って帰るには安すぎる。 このワインは持ち帰るワインではなくて、個人輸入してでも、夜毎飲むワインだ。
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