納車を待つ間の2ヵ月間。 時間は十分にあった。
最初に作ったのがこのステッカーで、
左右両ウインドウ用を作ったが、
左ウインドウ用は貼るのに失敗した。
そうなると右ウインドウ用を貼るのが臆病になる。
バックドアウインドウを貼って、
意を決して貼ったのがこれだ。
力作だったから、失敗した片方がなんとも口惜しい。
型紙は残っているが、何度も作れる代物じゃない。

キャラバン(隊商) なら、
西安からイスタンブールまで2カ月かけて大走破した私のロマンを呼び起こす。
キャラバンという車名に、サライ(家・宿) という言葉をつないで、
キャラバンサライ(隊商宿) なら簡単にイメージが湧く。
イランで廃墟となった隊商宿はいくつも見てきたし、
トルコには、今なお健在な隊商宿がある。

 葡萄舎彩々3 CARAVANSARAY 表紙
 SITEMAP
  CARAVANSARAY 号 ①
 CARAVANSARAY 号 ②
 CARAVANSARAY 号 ③
 「水紀行」 表紙

房総の御宿にある 「月の沙漠記念館」 の
像の写真から写し取ったステッカーだ。
中央の文字は
 كاروانسرا  
ペルシャ語でキャラバンサライ (隊商宿) だ。
窓ガラスに貼り付けたステッカーとしては、
これが最初となった。
自信を回復させ、気を取り直して貼ったのが
上のステッカー、ということになる。

後継車にも、それに代わるステッカーを貼り付けたい。
構想はすぐに浮かんだ。 なんたって、後継車に選んだのがキャラバンだから、ラクダを連ねた隊商しかないじゃないか。
これまでも切り文字や、図柄のステッカーを何枚も自作してきたが、
キャラバン(隊商) には、参った。 手こずった。 何が何でも作る! という意思のほうが勝ったが‥‥。

ハイエースには、私の感性に訴えかける何もない。
巷間、キャンピングカーとして改造されている車は
圧倒的にハイエースだが、
それは私の後継車選びの参考にならない。
どうせ私は私のポリシーで改造し、架装するのだから、
ベース車をハイエースにこだわることはない。

ローレル ~ スカイライン ~ プリメーラ ~ ボルボ ~ ローバー と乗り継いできた私が、
X-トレイル ~ セレナ と宗旨替えを行ったのは、6年前に灯台めぐりをはじめたのと軌を一にする。
目的地である灯台は岬の先端にあり、交通不便な場所に立地している場合が多い。
近くまで行って、日が暮れたら寝る。 灯台の下で、旋回する光芒を眺めながら寝る。 
悪路が走れる4輪駆動で、車中泊できる車が必須条件となったのだ。

CARAVANSARAY
改造・架装の計画と実際

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左サイドウインドーに何も貼ってないのは
何とも寂しいので、
急いで作って貼ったのがこれだ。
そのうち、
英語で CARAVANSERAI という綴りが
どうも気に食わなくなったので、
現在は CARAVANSARAY に変更している。
CARAVAN は英語、SARAY はトルコ語だ。
これは気に入って、
もっぱら CARAVANSARAY を使っている。
型紙は残っているから
E を A に、I を Y に替えるのは造作もないことだった。

後継車候補として、日産のキャラバンとトヨタのハイエースがあった。
伏線としては、私の 「日産車好き、トヨタ車嫌い」 という、半ば決定的な要素があったので、
安く買える日産車は下取りも安く、下取りで有利なトヨタ車は新車価格も高い、という社会の常識は問題ではなかった。
両車に、装備や性能で大差がないなら、その車で夢とロマンが持てるか? という点に行きつく。
他愛もない話だが、ネーミングの問題だ。

だから、
私が車を使って旅行を楽しみ、車を使い勝手がいいように寝台車 (車中泊専用車) に改造し、架装しようとしたのは、
数え切れないほどの事例の中の1例に過ぎないのは言うまでもない。
改造し、架装が成った私の CARAVANSARAY 号 (略称; SARAY 号) を自慢したくても、
誰も褒めてはくれない。 「よくやったね」 とは言ってくれるけれど、多くは 「オマエも、好きだなぁ」 が関の山だ。
でも、私の架装例は、似たような考えを持って、これから改造・架装を考えている方には参考になるかもしれない。

かくして、
後継車・キャラバンを郷里の長門まで運んでの改造・架装は7月2日から3日間、と決めた。













はじめに

世間では、実に大勢の方々が車を使って旅を楽しんでいらっしゃる。
車の使い方と旅行の形態は
100人の方がいらっしゃれば100通りの車の使い方と100通りの旅行の形態があり、
その根底には100通りの価値観と、100通りの考え方がある。
100を4乗倍すれば1億となるから、早い話、日本国民の一人一人がみんな違う形で旅を楽しんでいるということだ。

はこのページです

X-トレイルは助手席の背もたれを倒しても、170cmの私が足を延ばして寝るには窮屈だった。
その不満をセレナが満たしてくれた。
しかし、セカンドシートを撤去して作った寝台は180cm以上の余裕があったが、大人二人が寝るには狭かった。
折から、
これまでの一人旅から、家人を同伴する二人旅を計画する熟年リタイアの時代へと、流れが変わりつつあった。
そこで浮かび上がったのが、乗用車から4ナンバー(小型貨物車) への切り替えだ。

納車されるまでに私がしたもう一つの作業。
それはバックドアのガラス部分に貼るステッカー、左右のサイドウインドウに貼るステッカーを作り上げてしまうことだった。
これまで乗っていたセレナのバックドアには、ナスカの地上絵から波千鳥の図柄を切り抜き、貼っていた。
だから私は愛車を波千鳥号と名付けた。


























ということで選んだのが、
日産 CARABAN DX V Limitted Ⅱだ。
キャラバンのスタンダード車・DX の特別仕様車だ。
どこが特別仕様かと言うと、
本革巻ステアリングとか、セカンドシートのリクライニング
ちょっとしたクスグリは付いているが
あまり嬉しい装備はない。
メーカーオプションで、バックビューモニターとカーナビ、左右のスライドドアの網戸を注文した。

私一人で改造・架装に当たるのなら、
イメージは私の頭の中だけにあればいいが、
今回の改造・架装には、
郷里の友人、S と Y の応援があったのだ。
Y は大工仕事が趣味で、
S は仏壇制作に携わっていた細工のベテランだ。
この二人と意思を統一し、共有することが、今回の作業で最も肝要なことだったのだ。

納車までに

カーディーラーへの発注が4月21日。
納車が、6月28日。
発注してから納車を待つまで、
今回の場合は、2カ月と1週間、これは長いものだ。
私はひたすら荷室部分の改造・架装の設計図を描いた。
平面図と立面図。
それと、私の構想をより正確に伝えるために、
イメージ図も書いた。

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