長崎鼻(ながさきはな)灯台

阿久根港倉津埼(あくねこうくらつさき)灯台

串木野港(くしきのこう)灯台

薩摩野間岬(さつまのまみさき)灯台

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2006年1月に始めた灯台めぐりは、2010年5月に本州など4島の海岸線を一周することになる。
海上はるかな離島を除いて、沿岸部の主な灯台は300基以上訪問することになるが、
九州南岸と東岸に残った数基の未訪問灯台を訪問しなければ、日本一周したと豪語できない。 
そこで、未訪問灯台として残っている甑海峡に臨んだ7基と日向灘の2基を訪問した。

32°07' 21"N  130°06' 51"E   白色 塔形 コンクリート造
4等 単閃白光 毎10秒に1閃光   200,000カンデラ
光達距離 15海里 (約28km)   地上〜頂部:15.3m、水面〜灯火:26.5m
初点灯 明治30年4月8日    昭和52年3月改築

薩摩半島の地図を開いただけでも 「長崎鼻」 は3か所あるから、鹿児島の人は 「長崎鼻」 が好きらしい。
その中で、開聞岳の山裾の灯台が観光地として名が通っていて、長崎鼻灯台と言うと開聞岳の麓を指す。
しかし、あちらは 「薩摩長崎鼻灯台」 で、歴史を持つ大灯台は長島にある 「長崎鼻灯台」 のほうなのだだ。

「日本の灯台」 で下調べをしているから驚かなかったが、
昭和52年に改築されているとはいえ、「鄙には稀な、立派な灯台」 だ。
それもそのはず、初代は明治30年初点灯の歴史ある灯台なのだ。
これを言っちゃオシマイだけど 「生まれも育ちも違う」 ということか。

私のバイブル 「日本の灯台」 で見る限りでは、阿久根港倉津埼灯台の訪問に一番手を焼く、と予想した。
事実、カーナビは灯台のはるか手前でルートガイドをやめた。
車で行けるところまで行っても、そこから先の山道は地形図に書かれてない。
培った灯台勘で目星をつけたところ、折よく漁船の持ち主がいて、作業しながら指さして教えてくれたが、どうも不確かだ。

船主が指さしてくれたが、その指先が曲がっている。
大体、私が付けた目星と同じ方向を指しているから、その方向に歩いた。
民家の脇をすり抜けて畑の畦道を進む、良くあるパターンだ。 道としての形跡が残っているから立派なものだ。
更に嬉しいことには、未だ電灯線で電気をひいていた。

坊津から野間岬まではリアス式海岸、
野間岬から串木野までは、日本三大砂丘の一つ吹上浜が47kmにわたって続く。
国道は海岸線から離れて走るから、三大砂丘の実感は伴わないが、単調な道だ。
灯台ファンとしては、吹上浜はどうでもいいが、沖の甑列島を望みたいところだ。 そこには釣掛埼灯台がある。

31°16' 06"N  130°13' 05"E   白色 塔形
等明暗白光 明3秒暗3秒   5,000カンデラ (13M)
光達距離 20海里   地上〜頂部:8.5m、水面〜灯火:125m
初点灯 昭和46年3月

坊ノ岬灯台からは遥か遠くに見える峰ヶ埼灯台だが、車で走れば、あっという間の近さだ。
その間に坊津の港がある。 唐の港と呼ばれ、伊勢の安濃津、筑前の博多津とともに日本三津の歴史の港だ。
日本文化に大きい影響を与えた唐の高僧鑑真大和上は坊津に上陸している。
町には鑑真記念館もあるが、灯台以外は眼中にない私は、鑑真の偉大な功績と事業は別の機会に偲ぶこととする。

リアス式海岸の真っただ中で、坊浦と泊浦の間に突き出た岬が峰ヶ崎だ。 灯台はその先端にある。
海抜45mまで車で登れるが、そこから133mの山を越えて歩く。 道は自然観察の遊歩道として整備されている。
坊津町は親切な町らしく、標識は至れり尽くせりで 「灯台まで60m」 の標識も。

坊ノ岬(ぼうのみさき)灯台

こしき

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甑列島行きのフェリーが発着するのは串木野新港だが、
旧港では防波堤代わりだったであろう長崎鼻に串木野港灯台が立つ。 灯塔の中程に照射灯を併設している。
薩摩野間岬灯台で見たのと同じ、外部に取り付けられた螺旋階段が特徴的だ。
ある時期の十管本部長が好きなデザインだったのか。
能登半島では、灯塔の下部に青いタイルを張った灯台が多かったが、好みが反映できる 「いい時代」 だったのだろう。

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坊ノ岬灯台から長崎鼻灯台まで、甑海峡に沿って北上を続けて、
薩摩長崎鼻灯台から天草の灯台までの間の空白地帯が埋まった。
爆走男としては、もう1基、夕暮れに点灯を始めた灯台を訪ねたいところだが、二日目の作戦を練ることにした。 
「腹案」 として持ってきた灯台訪問だ。

串木野港で甑島商船のダイヤは確認済みだ。 今夜は心おきなく飲んで、朝になるのを待って船に乗り込めばいい。
ところが、ここにきて迷った。

32°04' 39"N  130°10' 24"E   白色 塔形 コンクリート造
無等 群閃白光 毎3秒を隔て5秒間に3閃光
   8500カンデラ
光達距離 13.5海里   地上〜頂部:8m、水面〜灯火19.5m
初点灯 昭和28年4月5日

この灯台も、カーナビはルートガイドをやめた。 そもそも、訪問計画に入れていない灯台だったのだ。
地図を見ていて、阿久根港倉津埼灯台と長崎鼻灯台の中間にあるから、行きがけの駄賃、と思って立ち寄った灯台だ。
農道で迷った。 迷ったところでオバサンが居て、道を聞いた。
迷って右往左往している間に方向感覚が狂ったのか、教えてくれた方角は私が思っていた方角と60度違う方角だった。

教えられた道を進むと、灯台近くの海岸まで車道が続いていた。
車道の終点から先を見極める時点では、灯台勘がよみがえっていた。
照射灯が主役で、灯火は脇役みたいな灯台だったが、ロケーションは思っていた以上だった。
今回の灯台めぐりでは 「おまけの灯台」 の1基だが、燈光会の案内板が設置されているから大したものだ。

小平瀬鼻(こひらせはな)灯台

32°00' 33"N  130°10' 55"E   白色 塔形 コンクリート造
群閃白光 毎10秒に2閃光    6,000カンデラ (13M)
光達距離 18海里   地上〜頂部:10m、水面〜灯火:43m
初点灯 昭和37年1月20日

31°42' 16"N  130°15' 39"E   白色 塔形 コンクリート造
6等 明暗白光 明4秒暗2秒   15,000カンデラ
光達距離 14海里 (約26km)   地上〜頂部:11.8m、水面〜灯火:20.1m
初点灯 昭和26年2月20日

31°24' 44"N  130°06' 41"E   白色 塔形 コンクリート造
単閃白光 毎5秒に1閃光   6,000カンデラ (13M)
光達距離 20海里   地上〜頂部:10.5m、水面〜灯火:148m
初点灯 昭和34年3月19日

薩摩野間岬灯台は峰ヶ埼灯台の北北西で、国道226を走れば一本道だ。
ところがカーナビは、枕崎に戻れ、と言って、国道270を走らせる。
海岸沿いの道は、よほど曲がりくねっているのだろう。 一旦、大浦に出て、野間半島には北側から入る。

半島の先端には九州電力の風車発電機が10基も立っているから、相当先まで車が入る。 
楽に行ける灯台と言えるだろう。
迷う道でもないが、途中に、旧運輸省の石標もあってホッとする。
灯塔の外部に螺旋階段が設けられている。 灯台に予算が割ける 「いい時代」 のデザインなのだろう。

峰ヶ埼(みねがさき)灯台

浜辺から灯台までは2ルートある。 車道と登山路と
その気になれば、車で灯台に近づけるが
対向車が来たら離合の場所はない。 また
車道の終点に先着の車が居ればUターンの場所はない
山道をバックで下る技量がある方なら
終点までお車でどうぞ (笑)
私は登りに車道、下りに登山路を歩いた
灯台から東 (開聞岳方向) を望むと
しばらくして日の出が

31°14' 48"N  130°13' 07"E   白色 塔形 鉄筋コンクリート造
3等小型 郡閃白光 毎30秒に3閃光   240,000カンデラ
光達距離 23海里   地上〜頂部:12.1m、水面〜灯火:84m
初点灯 大正11年7月15日

灯台めぐりを続けていると 「行ってみたい灯台」 は枚挙にいとまがなく、また、次々と増えていく。
その中で 「どうしても行かなければならない灯台」 がある。
訪問計画に組み込んで、その前後の灯台は訪問しながら、何らかの都合で訪問を端折った灯台だ。
初期の段階で、その灯台の歴史的な価値を知らず傍を素通りした灯台も、その部類に入る。

2006年5月。 
関埼灯台(大分) から南下して大隅半島南端の佐多岬灯台、錦港湾を渡って薩摩長崎鼻灯台まで回った。
タフなスケジュールだった。 指宿温泉で天然砂風呂に浸かったら、とたんに疲れが出て、
それから先の灯台訪問を続ける気力が失せた。 その先には坊ノ岬灯台があった。

以来4年間。 坊ノ岬灯台訪問は、絶えず私の頭をよぎっていた。
今年(2010年) 5月、東北6県の灯台めぐり 「奥の磯道」 を敢行すれば、日本列島の海岸線一周が完結する。
その前に、見残していた坊ノ岬灯台訪問を実現させて、地図上の空白地帯を埋めておかなければならない。
灯台めぐりはお遊びの分野だが、私にすれば至上命令に等しい今回の灯台めぐりだったのだ。

夜になって下関を発ち、22時に桜島SAに着いて車中泊。 翌朝、枕崎を経て林道岬線の分岐へ。 未明だった。
ネットで得た情報で、林道岬線が岬の相当先端まで延びていることは知っていた。
実際に走ってみると、灯台へ至る道としては立派な林道だ。 林道は岬に延びる尾根を巻いて浜辺に出る。 
浜辺からはさらに、4駆なら走れそうな道が続いているが、知らない土地だから浜辺に車を駐車する。


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その上
一度機会を逃したばかりに、4年も遅れて訪問した私を
坊ノ岬灯台は灯りを消さずに迎えてくれた

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