33°43' 53"N  134°34' 01"E   白色 塔形 コンクリート造
LX型灯器 単閃白光、毎5秒に1閃光   900,000カンデラ
光達距離 30.5海里(約57km)   地上〜頂部:11.5m、水面〜灯火:159.8m
初点灯 昭和27年5月6日   昭和52年3月 改築

四国東岸では、四国最東端の蒲生田岬灯台よりも阿瀬比ノ鼻灯台の方が重要らしい。
伊島灯台、室戸岬灯台と共に大型沿岸灯台だ、と燈光会の案内板にある。
海岸からの標高差155mは、それなりに呼吸が乱れるが、
阿波竹ヶ島灯台と同じく、登山道は 「四国のみち」 に組みこまれ整備されている。

海岸から、灯台がありそうな方向を見上げると、塔頂部が顔を出している。
灯台の所在が確認できるのは嬉しいが、「あそこまでのぼるのか!」
何度か休みながら登る。 おあつらえ向きに眺望は素晴らしい。 休憩場所もある。
山頂に近付くと、不意に灯塔が木の間から姿を現す。 やはり嬉しい瞬間だ。

官舎跡の広場の向こうに、灯台が建つ。 雑草は刈り取られ、掘り返された根が、春の陽に曝されていた。
この時期、行く先々で満開の桜を見たが、灯台でも咲いていた。 灯台の脇と、官舎跡まで迫った藪の中に。
灯台を灯台守の方々が管理していた頃、潮騒の他には何も聞こえない灯台生活の無聊な日々を慰めていたのだろうか。
桜を眺め、麓の神社から聞こえる太鼓の音を聞き、思い出したように鳴くウグイスの声を聞きながら
朝食と昼食を兼ねて、小食と昼食を兼ねた弁当を広げた。 陽射しが強まり、半袖のTシャツ一枚で山を降りた。

6 追補 四国東岸の2基  2010/04/03

阿波竹ヶ島灯台

阿瀬比ノ鼻灯台

33°32'16 "N,  134°19'24"E   白地に赤横帯 塔形 コンクリート造
LX型灯器 単閃白光 毎8秒に1閃光 900,000カンデラ
光達距離 25海里(約46km)   地上〜頂部:12.6m、水面〜灯火:97.2m
初点灯 昭和49年9月28日

阿波竹ヶ島灯台への登山道は、「四国のみち」 に組み込まれていて、幅2mの立派な道だ。
四国のみち (四国自然歩道) は全長1545.6kmの長距離自然歩道で、起点は鳴門市、終点は板野郡板野町。
四国霊場や、各地に点在する身近な自然や歴史に親しみながら、歩いて四国を一周することができる、という。 
流石、八十八か所霊場巡りの島だ。 道の文化が息づいている。

竹ヶ島漁港で、親切な漁師さんが 「膝を痛めているなら、勾配が緩やかな反時計回りで登れ」 と教えてくれた。
登山道を登りながら振り返ると、時折、木の間から甲浦 (かんのうら) の湾が見え、甲浦灯台が見える。
途中に 「ビシャゴ磯→」 という立派な道標がある。 これに従うと獣道を浜まで降りるそうだ。
ある先達がHPに書いていたが、この道を進んで間違いに気付き、20分かけて戻ってきた、と。
私も3分ほど迷いこんだ。 が、先達のHPを思い出してすぐに引き返した。
島の最高点まで道は続くが、最高点 (展望台) の手前に灯台への道標がある。

阿波竹ヶ島灯台は、西日本では珍しい、灯塔に赤帯を巻いた灯台だ。
敷地が狭いのが難点だが、赤帯を巻いた灯塔はどうにかカメラに収まる。
時間さえかければ到達は易い灯台だから、この赤帯を見ずに四国東岸の灯台は語れないだろう。

阿波竹ヶ島(あわたけがしま)灯台

TOP PAGE SITE MAP 灯台めぐり・表紙
五国 灯台歴訪・表紙 瀬戸内海東部の島々 淡路 ・ 阿波 の灯台
室戸岬から土佐湾 足摺岬から宇和海 佐田岬半島の灯台
は現在地です   追補 四国東岸 
TOP PAGE SITE MAP 灯台めぐり・表紙
五国 灯台歴訪・表紙 瀬戸内海東部の島々 淡路 ・ 阿波 の灯台
室戸岬から土佐湾 足摺岬から宇和海 佐田岬半島の灯台
は現在地です 

 追補 四国東岸 

阿波竹ヶ島灯台と阿瀬比ノ鼻灯台。 片道20〜30分の時間さえかければ、容易に行って来れる灯台だ。

3年前、この2基を端折って室戸岬に急いだら、時間が余った。 結局、叶埼灯台まで脚を延ばして夜を迎えたのだが、
だったら、2時間を割いてこの2基を訪問すべきだった。 今回のように、強行軍のトンボ返りをしなくて済んだのに‥‥。
後悔先に立たずだが、やっと、これで胸のつっかえがとれた。 執念深い男の、執念が実った灯台訪問だ。

阿瀬比ノ鼻(あせびのはな)灯台

2007年9月25〜29日に、東瀬戸内海〜淡路島〜四国の灯台めぐりをしている。 その際の訪問灯台は26基だ。
与島、男木島、女木島、小豆島、淡路島、と、島の灯台訪問に手間取り、3日目の蒲生田岬灯台でも手間取り、
日没までに室戸岬に到着するには時間がなくなった。 
そこで、蒲生田岬灯台戸室戸岬灯台の間に点在する3基のうち、2基を割愛する決断に迫られた。
往復1時間の山道を強いられる阿瀬比ノ鼻灯台と、同様に登山を強いられる阿波竹ヶ島灯台をパスしてしまった。




















甲浦の湾を隔てて甲浦(かんのうら)灯台

見送った2基は下関から一番遠い灯台で、改めて訪問する事はなかろう、と無計画の計画を立てた私を、自分で責めた。
ところが、再訪したのだ。 諦めきれなかったのだ。
訪問を端折った2基、阿波竹ヶ島灯台と阿瀬比ノ鼻灯台が、沿岸小型の灯台だったら諦めもする。
また、訪問するのに手こずらない灯台だったら口惜しさも残らない。
しかし、四国東岸の灯台を語るのに、欠落している2基の穴はあまりに大きい。
そして何よりも、片道20分〜30分の登山を強いられる灯台訪問を見送ってしまった、そんな自分の弱腰が許せなかった。

inserted by FC2 system