伊島灯台
TOP PAGE SITE MAP 灯台めぐり・表紙
五国 灯台歴訪・表紙 瀬戸内海東部の島々 淡路 ・ 阿波 の灯台
室戸岬から土佐湾 足摺岬から宇和海 佐田岬半島の灯台
は現在地です 

 追補 四国東岸 

四国に灯台は数あれど、灯台の名称に 「○○岬」 が付く灯台は限られている。
佐田岬灯台(西端)、足摺岬灯台(南端)、室戸岬灯台、そしてこの蒲生田岬灯台(東端)。四国を代表する大灯台に列している。
この4基のほかには、高知県の沿岸小型の井ノ岬灯台しかない。 これは命名するときに何かの間違いがあったのか(失礼)。
蒲生田岬灯台は四国の最東端に位置するから 「岬」 を名乗って不思議はないが、他の3基と比べれば「格が違う」 の感が付きまとう。

一番の理由は、紀伊水道を挟んで紀伊半島と対峙しながら、手前に 伊島 が存在するからだろう。
当然、伊島には灯台がある。 大灯台が。 伊島の最高点140mにそびえるのは塔高22m、光達距離23海里の大灯台だ。
(素人考えでも) 大型船舶は、蒲生田岬と伊島間の3kmあまりの狭い海峡は通らないだろう。
本家の (フツーの) 四男坊が、分家の出来のいい子に負けたみたいだからこそ、本家の四男坊を応援したくなる。私も四男坊だから。

四国の最東端ともなれば、観光スポットとして脚光を浴びてもいい。 佐田岬や足摺岬のように。ところが、そうは問屋が卸さない。
なんたってアクセスが悪い。 岬のはずれの突端はどこだってそうだけど、蒲生田岬は特に悪い。
一部分 「回り道」 と称して改良は見受けられるが、根本的なてこ入れになっていない。だから、苦労してたどり着く灯台は嬉しい。
先端の灯台周辺だけは公園化されているが、意味はない。 ただ、灯台のロケーションは素晴らしい。灯台も愛らしい。 好きな灯台だ。
蒲生田岬灯台
灯台番号 3403 (F5507)  北緯 33 49 50 東径 134 45 08
塔形 白色 円形 コンクリート  灯質 単閃白光、毎4秒に1閃光
光度 3500 カンデラ  光達距離 10 海里
初点 T 13-10-1   塔高 11.5  灯火海抜 48.2
地図   四国の東のはずれ、悪路  塀・扉なし
刈又埼灯台
四国に来たからには一カ所くらい海上保安部を訪問しようと、小松島の海保を訪ねた。
本音は、阿瀬比ノ鼻灯台、阿波竹ヶ島灯台へのアクセスをより容易にするために、海保の内部資料的な地図が欲しかったのだが
残念ながら用意してない、とのこと。 その代わり、取り付き口の参考に、とゼンリンの地図をコピーしてくださった。
海保とゼンリンの地図は不釣合いだが、親切はありがたい。 私が訪れた海保は、例外なくどこも親切だ。

この町には、お手軽に済ませる 「ミニ八十八ヶ所」 なるものがあり、住宅地のはずれに登り口がある。 細い九十九折の山道だ。
少し登ってからお地蔵様が鎮座ましますのに気付き、よく見ると 「三番」 と彫ってある。と言う事はお地蔵様が道しるべなのだ。
海抜0mから80mまで登るのだから息が切れる。 息が切れる頃を見計らってお地蔵様が優しい顔で立っておいでだ。
次のお地蔵様まで休まず登って、出会ったら合掌。 何のことはない、信心からではなく呼吸を整えるための合掌かも‥‥。

「お地蔵さん、お地蔵さん」 と呟きながら登るとお地蔵様だけが見えてくるから不思議だ。灯台脇のお地蔵様は 「十五番」 だ。
灯台のたもとにある 燈光会が設置した案内板はおなじみだが、小松島のは文言が少し変わっていて好きな文章だ。 要旨は、
「この灯台が、航行する船舶を安全に導き、灯光を目にする旅人に航路標識へのロマンを訴えてくれる事を願わずには‥‥」
ちょっといい気持ちになって、灯台を辞した。  やたら目に付く 刈又埼灯台を見ながら、四国最東端の蒲生田岬へ向かった。
小松島灯台
灯台番号 3433 (F5561)  北緯 34 00 52 東径 134 35 52
塔形 白色 塔形 コンクリート  灯質 等明暗白光、明4秒暗4秒
光度 21000 カンデラ  光達距離 24 海里
初点 S 52-3-28   塔高 11.9  灯火海抜 91.7
地図   根井地区のミニ八十八ヶ所 へんろ道  柵・扉なし
岬の灯台は、岬の先端にあるのは当然だが、そこは大体、人里を離れた場所である。
ところが、その岬が、あるいは岬の灯台が観光スポットとなったとき、灯台の周辺はたくましい商魂の渦に巻き込まれる。
門埼灯台の可哀相な姿を見て、対岸の孫埼灯台を遠望したとき、緑の山をバックに白くぽつんと灯台らしく見えた。
近づくと、そこは鳴門の観潮目当ての観光客のために200台の有料駐車場を持つ鳴門公園のそばだった。

駐車場のおばちゃんが駐車料金を告げるので、「灯台に行きたい」 と言うと、「今ならトンネルが通れるから、行け」と言う。
親切なおばちゃんに感謝してトンネルを潜ったが、訳が分からなくなった。 一方通行を逆走したりして、何とかたどり着いた。
公園の人たちはどこへ行ってしまったのか、と思うほど灯台は静かだ。 人一人いない。
灯塔はきれいに塗装されており、塔形も灯台らしい。 敷地も整備されている。何かにつけて、門埼と好対照だ。

門埼と孫埼、鳴門海峡を挟んで並び立ちながら、私が訪れた時点でのたたずまいは両極端。
関門海峡の西口の六連島と東口の部埼は、
設計者が同じブラントン、初点は1年違いなのに、現況は月とスッポン。
孫埼と部埼は恵まれて年を重ね、門埼と六連島の灯台人生はついてなかったのだ。 そんなものなのだろう。
とまれ、孫埼で四国に再上陸。 先は長い。
孫埼灯台
灯台番号 3455 (F5551.5)  北緯 34 14 09 東径 134 38 45
塔形 白色 四角形 コンクリート  灯質 単閃白光 毎5秒に1閃光
光度 8500 カンデラ  光達距離 19.5 海里
初点 S 26-12-20   塔高 17  灯火海抜 51
地図  孫埼の先端、鳴門公園に隣接  塀・扉なし
鳴門飛島灯台
高埼灯台
大鳴門橋をはさんで
門埼(右) 飛島(下) 灯台
愚かにも、今回の灯台めぐりで忘れて来たものがある。 灯台ファンとして致命的なミスだ。 「聖書 ・ 灯台表」 を忘れた。
訪問予定の灯台については資料をそろえているので、通常なら、出先では滅多に開かない。
が、ときによっては必要なのだ。 たとえば今回、淡路島を南下する際、最東端の生石鼻に立ち寄ってみたくなった。
岬の先は、友ヶ島水道を経て友ヶ島、その先は和歌山県だから、やがていつかはたどる紀州路を望見したかったのだ。

生石鼻には、地理上、当然しかるべき灯台があるはずだが、道路地図には載っていない。
土地の人に聞いてもちんぷんかんぷん。 そもそも、今までに土地の人がキチンと灯台の所在を教えてくれたのは稀だから。
結果的には生石鼻灯台の近くまで行きながら、幻の灯台、で終わってしまった。
その代わり、友ヶ島水最狭部の高埼灯台は眺めてきたけど。

かなりガッカリして門埼灯台に着いたから、灯台らしからぬ灯台を見て、益々ガッカリしてしまった。
隣接している 道の駅 が、安っぽいノボリを灯台の壁に立てかけ、軒下にはビールの空きケースを重ね置く始末。
道の駅 の建物が入らないように写真を撮ったが、 救いは、大鳴門橋を渡るとき、橋の下に鳴門飛島灯台を見つけたこと。
鳴門の渦巻く潮の中で屹立しているのがいい。 橋の上から撮る写真は、危険な割にはあまりよくない。
門埼灯台
灯台番号 3458 (F5811.4)   北緯 34 14 19 東径 134 39 46
塔形 白色 塔形 コンクリート   灯質 無等 群閃白光、毎8秒に2閃光
光度 8500 カンデラ  光達距離 20.5 海里
初点 S 39-3-25   塔高 11.5  灯火 59
地図  門埼の先端、道の駅うずしおに隣接  柵・扉なし
江埼灯台を訪れるため、といって過言ではない。 小豆島から日生に上陸し山陽路を東進してきたのは。
山陽自動車道を降りて、明石まではのろのろ運転を強いられた。
私にとって、特別な意味を持つ明石市初訪問は夜だった。 天文科学館の大時計を写真に収めるだけで、淡路島を目指した。
カーナビは、私を岸壁に導いた。 「たこフェリー」 と名づけられた、明石〜岩屋のfゲリーに乗れ、という。

明石大橋のイルミネーションに加えて、満月の夜だった。 でも、私の目は対岸の灯台の灯を探した。5秒間隔の赤白互光を。
明治4年以来、阪神淡路の震災に遭いながらも、淡路島の北端に位置し、明石海峡の航行を見守ってきた江埼灯台。
ブラントンの設計による、六連島灯台の同期生。 今、その赤白互光をフェリーのデッキから眺めている。
灯台への登り口は容易に見つかったが、階段はシッカリしているが草木が覆いかぶさって不気味だ。引き返して朝を待った。

夜が明けてみれば、どうってことはない登り道だ。 初の対面はいとも簡単に進行した。
鍋島灯台、六連島灯台、部埼灯台、これまでに私が見てきたブラントンの灯台は半円扇形の付属棟の上に首があり、顔があるが、
江埼灯台には首がない。 肩からすぐに顔で、首をすくめた格好だ。 その分だけこじんまりと見える。
赤白の灯火は回転していた。 灯台の前面には非常灯が設置してある。 震災後の対応だろう。いつまでも明石に向けて光る灯台だ。
えさき
江埼灯台
灯台番号 3801 (F5796)   北緯 34 36 12 東径 134 59 46
塔形 白色 塔形 石造  灯質 3等 不動赤白互光 赤5秒 白5秒
光度 W 62000 R 24000 カンデラ  光達距離 10 海里
初点 M 4-4-27   塔高 8.3  灯火海抜 48.5
地図  松帆の浦から西へ500m 駐車場あり 階段直登  柵・扉あり
赤穂灯標
大多府島灯台
赤穂御埼灯台
灯台番号 3889 (F5755.6)  北緯 34 43 36 東径 134 24 43
塔形 白色 塔形 コンクリート  灯質 閃白光 毎10秒に1閃光
光度 110000 カンデラ  光達距離 23.5 海里
初点 S 38-3-30  塔高 16  灯火海抜 64
地図  灯台の真東に階段を山頂まで  柵・扉なし
かもだみさき
こまつしま
孫埼から鳴門飛島灯台
まごさき
とさき






























a

小豆島の北、大部港から山陽路に渡るには日生港へのフェリーが便利だ。 但し、便数が少ない。
私は一番乗りだったが、その代償として2時間近くを無駄に過ごした。 ひたすら灯台を目指す私に2時間は大きい。
ゆっくりコーヒーでも飲めばいいものを、それができないから辛い。待ちかねた出港となったが、この海域は島影もない。
日生港に近づいて、照射灯を併設した大多府島灯台がデッキから見えた。 島に、岬に灯台を見つけるとホッとする。

日生から赤穂までは一般道だがスムースに流れた。
赤穂は、いわゆる播州赤穂だから播磨の国で、正確に数えると 「六国」 になるが、行きがけの駄賃だから「五国」 で通そう。
ところが、行きがけの駄賃の赤穂御埼灯台、なかなかどうして、堂々たる体躯の大型灯台なのだ。
50mの山頂に立って、なおかつ、塔高は16mもある。 脚色された物語の世界で言えば、赤穂の侍の気高さ、か。

地図で見れば簡単なはずの、結果論としても容易に近づけた灯台への道を探すのにてこずった。
道に迷ったおかげで、伊和都比売神社の鳥居越しに赤穂灯標を望む事ができた、というおまけがついたのだが。
赤穂御埼灯台のすらりと伸びた灯塔はスマートだ。 側面が八角形にそぎ落とされているから余計スマートに映るる。
見とれていたい灯台だが、明石市に立ち寄り、海峡を越え、淡路島の北端 ・ 江埼灯台まで道は遠い。名残を惜しんで敬礼。
あこうみさき
赤穂御埼灯台
江埼灯台
門埼灯台
孫埼灯台
小松島灯台
蒲生田埼灯台
TOP PAGE SITE MAP 灯台めぐり・表紙
五国 灯台歴訪・表紙 瀬戸内海東部の島々 淡路 ・ 阿波 の灯台
室戸岬から土佐湾 足摺岬から宇和海 佐田岬半島の灯台
は現在地です 

 追補 四国東岸 

2 淡路 ・ 阿波の灯台
inserted by FC2 system