小豆島で撮った、唯一の灯台以外の写真。
というよりも、今回の灯台めぐりで撮った数少ない 「灯台が映っていない」 写真。
岬の分教所 ・ 苗羽小学校田浦分校。 映画 「二十四の瞳」 の舞台。

大角鼻灯台の訪問を終えて、小豆島の北 ・ 大部港へ向かい、
日生港(岡山県) に渡った。   続きは次ページへ。
官舎跡の敷地は広い
私が灯台めぐりをするときは、眼中には灯台しかない。 観光地も、温泉も、名物料理も、名産も、ない。
だから、小豆島に渡っても、寒霞渓もオリーブ畑も無縁の存在だ。
大角鼻灯台に向かうとき、やたらと 「二十四の瞳 映画村」 の看板が目に入った。映画は知っているが観たことはない。
勿論、原作を読んでもいない。 片道15kmの寄り道だけど寄ってみた。 私の灯台めぐりでは珍しいことだ。

50年前まではどこにでもあったと記憶する苗羽小学校田浦分校を訪ねて、しばし、遠い世界に遊んだ。
が、たちどころに灯台めぐりの虫に催促され、大角鼻へ。
この灯台、かつては 「大角灯台」 と呼んだのだろうか、表示板は 「大角鼻燈台」 だが、石柱は 「大角灯台」 だ。
いずれにしても、道端に表示があるのはイイコトだ。 表示から笹薮越しに灯塔が見えるのもいい。

大角鼻灯台は地蔵埼灯台と似たところの多い灯台だ。 海抜高度、塔高、灯塔の八角形、光達距離。
地蔵埼の6等レンズに対して大角鼻は4等レンズ。、光度も大角鼻が倍明るい。 地蔵埼は明治期で、大角鼻は大正期。
回廊は地蔵埼の八角形に対して大角鼻は円形。 地蔵埼がレーダービーコンを併設しているだけ当世風か。
灯塔の外観としては、大角鼻灯台が洗練されている。 好みの問題だが。
おおかどはな
大角鼻灯台
灯台番号 3934 (F5548)  北緯 34 25 50 東径 134 20 22
塔形 白色 塔形 コンクリート  灯質 4等 等明暗白光 明3秒暗3秒
光度 24000 カンデラ  光達距離 21 海里
初点 T 2-4-15   塔高 12.6  灯火海抜 63.5
地図
   小豆島大角鼻 半島周回道路の先端 表示あり  塀・扉あり
男木島と女木島の灯台を訪問している間の一昼夜、車は高松港のフェリー乗り場に近いことでんP に駐車した。
ややこしい料金体系が表示されており、概算で4千円と少々を覚悟していたが、精算してみると2千円だった。こんなものだろう。
前日から、高松港のフェリーの発着の頻度に驚いていたから、小豆島行きは苦労を覚悟していたが、適切な案内があった。
地蔵先灯台に急ぐなら池田港行きだろうが、男木島灯台を遠くから見たいので土庄港行きを選んだ。正解だった。

地蔵埼へ心ははやるが、男木島の宿で朝食を頼まなかったので 道の駅 でそうめんの大盛りを。
道なりに進めば、イヤでも半島の先端につく。
仰々しく 「さぬき百景 地蔵埼燈台」 などと自然石に銘板がはめ込まれている。展望台もある。 灯台の敷地には入れない。
行楽で来た人たちに、灯台に触りたい、という人は稀なのだろう。 でも私には、触って、叩いて、敬礼する儀式がある。

初点プレートを見て驚いた。 北海道ではおなじみの霧信号所 (霧笛) が併設されている。
そういえば、宇高連絡船の紫雲丸が沈没したのは濃霧の朝だった。 雌雄島海運の男木島航路が欠航するのも濃霧の日だ。
今日は、霧とは無縁の快晴だが、天気が良すぎて、昨日訪れた馬ヶ鼻灯台がかすんで見えない。
錆びて、塗装のはげた霧笛をさすって、霧笛にも敬礼をして地蔵先灯台を辞した。なお、かつての赤い塔頂は、今は白い。
じぞうさき
地蔵埼灯台
灯台番号 3950 (F5549)  北緯 34 24 45 東径 134 14 17
塔形 白色 塔形 コンクリート  灯質 6等 群閃白光、毎7秒に2閃光
光度 11000 カンデラ  光達距離 21.5 海里
初点 M 28-12-10   塔高 13  灯火海抜 66.8
地図
   小豆島釈迦ヶ鼻 半島周回道路の先端 駐車場あり  柵・扉あり
男木島灯台は、わが角島灯台と並び称される灯台だ。 日本に2基しかない、御影石造りの無塗装の灯台として。
無塗装といえば、わが六連島灯台も石造無塗装だが、六連島はなぜ数えられないのだろう?
それはそれとして、角島灯台は私の地元の灯台で、誇りに思っている灯台だから、男木島灯台は以前から意識していた。
訪れたい灯台の5本の指に入っていたのは間違いない。 最近、島の灯台とのご縁が多く、勢いで渡ってきた。

男木島灯台に会いたいがあまり、女木島灯台訪問を手際よく済ませ、1便早い定期船で島に着いた。15時前だ。
宿の女将さんが驚いていたが、自転車を借りて灯台に向かった。 集落を抜けるまでは急坂で自転車には乗れない。
集落を過ぎてもアップダウンで、平坦地は少ない。 歩いても30分なら歩く方がいい。
いくつ目かの坂を登ると、はるか前方に燈台の全貌が見える。 坂道を一気に下りたいが、先ず写真を一枚。

噂にたがわず、いい灯台だ。 見た目は 「無骨」 だ。 古武士の雰囲気を漂わせている。
管理人の方はいなかった。 だから、資料館に入れなかった。 門扉は閉じられていたが、施錠されていなかった。
管理人の方がいないから、塀に登って写真も撮れた。 着いたときはうす曇。 一時間も立つと晴れてきた。
灯火を拝みに再訪しようと思ったが、浜上旅館の食事がボリュームたっぷりで、寝てしまった。安堵した眠りだった。
おぎしま
男木島灯台
灯台番号 4067 (F5538)  北緯 34 25 50 東径 134 03 48
塔形 無塗装 筒形 御影石造  灯質 単閃白赤緑光 毎10秒に1閃光
光度 50000 カンデラ  光達距離 12.5 海里
初点 M 28-12-10   塔高 14.2  灯火海抜 15.7
地図  男木島北部 徒歩30分  塀・扉あり (施錠していない)
灯台巡回車6号 と 灯台
女木港鬼ヶ島防波堤灯台
高松港玉藻防波堤灯台
と 女木島灯台
オーテ
鬼が島伝説のある女木島と、北隣の男木島へは高松港から定期船を利用する。
高松港から見れば、地図で見た感じよりははるかに近い。 デザイン灯台の高松港玉藻防波堤灯台からは指呼の間、だ。
小型フェリーの定期船は、長閑に瀬戸の海を渡る。 高松〜女木島〜男木島〜女木島〜高松と結ぶ連絡船を雌雄島海運と呼ぶ。
船の名前は 「めおん」 だ。 鬼が島の女木島が上位なのだろう。

男木島には一枚看板の男木島灯台があるが、女木島の人にはそれが面白くないのだろう、
「男木島には灯台しかない。 女木島には (鬼が島伝説に基づく) 洞窟がある。海水浴場もある」と胸を張る。 が、旅人には
「オーテ」 と呼ばれる民家の造りが優れものだ。 冬の季節風で民家は波をかぶり、霧状になった海水は
家の中まで入ってくるという。 それを防ぐために、屋根の妻に面した南側に屋根の高さほどの石垣を築いているのだ。これは凄い。

女木港からダラダラとした坂道を登りつめると女木島灯台だ。 叩けば空洞の音がするからプラスチックに類する素材だろう。
崖の上から写真を撮ると、イヤでも海が入ってくる。 遠景は高松港だ。 その間を、ひっきりなしに船が行き交う。
船はフェリーが多い。 シャッターチャンスを逃しても、すぐに次の船が現れる。山手線並みだ。
女木港には、鬼をかたどった灯台もある。 デザイン灯台は数あれど、灯塔が鬼の金棒で、これはいい。
めぎしま
女木島灯台
灯台番号 4074 (F5539)   北緯 34 22 36 東径 134 02 24
塔形 白色 塔形   灯質 等明暗白光 明3秒 暗3秒
光度 8000 カンデラ  光達距離 18 海里
初点 S 31−3   塔高 10.5  灯火 46
地図  女木島の南端、帆槌ノ鼻 上り坂電柱に沿って  柵・扉なし
男木島、女木島、小豆島は高松が起点だ。 小豆島からは、北の大部港から日生港(岡山県) に渡る予定だから、
馬ヶ鼻灯台へは高松から往復するか、鳴門から往復するしかない。 対処に困る灯台だ。
今日の今後の予定は女木島と男木島だけで、男木島泊まりだ。 それまでに片付けるか。しかし、
馬ヶ鼻灯台はゴルフ場の敷地内にある。 石松氏やガウスさんは、ゴルフ場のカートで案内されたと書いておいでだ。

雨露に濡れたズボンと靴を履き替え、Tシャツをポロシャツに着替えてフロントへ。
その日は、連休明けの火曜日で、ゴルフ場はセルフデーだった。 フロントもキャディーさんも数がいなくて案内できない、と言う。
「明日ではだめか?」 「明日は徳島だ」 などと押し問答をしていると、奇特なキャディさんが「私が連れて行こう」
地獄でキャディさんだ。 ゴルフをしない私は、初めてゴルフ場のカートに乗った。灯台巡回車6号、だ。

志度CCは名門コースらしく、芝生はきれいで、馬ヶ鼻灯台は一番整った環境にある、とも言える。
キャディさんは、カメラポイントではカートを停めて待っていてくれる。
「ご覧、あれが地蔵岬灯台ヨ」 などと説明もしてくれる。 「こんな、お任せの灯台めぐりもあるんだ」と悦に入る。
徳島で、高知で待ち受けている、難儀な灯台めぐりなど、知らぬが仏、だ。
うまがはな
馬ヶ鼻灯台
灯台番号 3978 (F5549.6)   北緯 34 20 52 東径 134 15 12
塔形 白色 塔形 コンクリート  灯質 単閃白光 毎10秒に1閃光
光度 150000 カンデラ  光達距離 20 海里
初点 S 38−1   塔高 11.2  灯火海抜 57
地図  志度CCの敷地内 (要、承諾)  柵・扉なし
北備讃瀬戸大橋から






























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下関を20時に発って、瀬戸中央道の与島PAには午前0時過ぎに着いた。
朝5時まで仮眠し、明るくなってPAの外周に張り巡らされた柵の切れ目を探した。与島に出るにはバス停もあろうが、
鍋島に最も近い出口を探すためだ。 PAの南端、トイレの近くから外に出て、与島の集落への道を下った。
海岸に出れば、鍋島はすぐだ。 防波堤の上を歩き鍋島に取り付く。 柵と扉があるので、進むか引き返すかはご随意に。

昨夜来の雨で、官舎跡の草はシッカリと水滴を湛え、ズボンの裾と靴はぐっしょり。
しかし、そんな事をものともしない感激に出会う。 目の前で、4等 不動赤緑互光のレンズが回転している!
8秒ごとに変わる赤と緑の灯火に心奪われ、いかにもブラントンらしい設計の灯塔を眺めるのを忘れるくらい。
明治5年の初点だから、関門海峡の部埼灯台と同期生だ。 鍋島灯台の塔高が低いだけこじんまりとしている。

私には、私を灯台ファンにした室戸岬灯台があって、それは未来永劫変わらない私の「心の灯台」 だが、
それを別にすれば、明治期の、石造の、しかもブラントンの灯台が好きだ。
曇り空で、瀬戸の日の出は拝めなかったが、次回、訪れる機会があれば、夕暮れと日の出を見たいものだ。
瀬戸の夕暮れと日の出を見ずに瀬戸の灯台を語れないと思う。 そのために瀬戸中央道の与島PAがある。
なべしま
鍋島灯台
灯台番号 4202 (F5533)  北緯 34 22 45 東径 133 49 35
塔形 白色 塔形 石造  灯質 4等 不動赤緑互光 赤8秒緑8秒
光度 G 32000 カンデラ R 52000 カンデラ  光達距離 15.5 海里
初点 M 5-11-15  塔高 9.8  灯火海抜 28.8
地図  与島PAから徒歩30分  柵・扉あり
鍋島灯台
馬ヶ鼻灯台
女木島灯台
男木島灯台
地蔵埼灯台
大角鼻灯台
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