今治〜大下島航路から

小浦崎(こうらさき)灯台

34°06' 55"N  132°59' 29"E  白色 塔形 コンクリート造
単明暗白光 明3秒暗1秒  2,000カンデラ (11M)

光達距離 15海里  地上〜頂部:8.6m 水面〜灯火:26m
初点灯


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民宿みはらし のご主人は親切な方で、ナガセ鼻灯台への道を尋ねたら、
ロビーに架けてあった、来島海峡大橋ができる以前の航空写真を指さしながら
教えて下さった。 おかげで地形図に載っていない道をたどることができた。
二つの砂浜の間にある岩場が、満潮時にはチトきついかもしれない。

来島海峡には小さい島々が点在し、海峡は4つの狭水道に分けられていて、
大型船舶が航行するのは、西水道 (来島海峡第三大橋の下) と中水道 (来島海峡第二大橋の下) だ。
西水道と中水道を分けるのが馬島で、島の西に2基の灯台 (ウヅ鼻と小浦崎) があり、東に1基あるのがナガセ鼻灯台だ。

馬島の東岸は中渡島と対峙する。 中渡島には来島海峡で最初に設けられた中渡島潮流信号所がある。
前身は灯台で、また灯台としての業務を再開するらしい。 灯台ファンとしては嬉しい話だが、手放しでは喜べない。
灯台 → 潮流信号所 → 灯台 → 廃止・解体・撤去 という、関門海峡・台場鼻灯台のたどった道があるからだ。
海保は灯台を処分したいのだ。 保存灯台であるべき台場鼻灯台廃止の理由は、
北九州八幡港を出港する船から、台場鼻灯台の背後に設置された潮流電光表示板を見ずらい、だった。
魅力ある中渡島潮流信号所の建物が、台場鼻灯台のたどった道を追わないことを祈る。

34°06' 54"N  132°59' 56"E  白色 塔形 コンクリート造
等明暗白光 明3秒暗3秒  2,000カンデラ (11M)
光達距離 16海里  地上〜頂部:8.1m 水面〜灯火:35m
初点灯 昭和36年3月

灯塔の横に設置されたボックスに
ライトアップ用の投光器がおさめられている

浜辺に出て、登り口方向を写す

前ページの大久野島灯台から始まった灯台めぐりは、カヤトマリ灯台で一日目を終え、
二日日は松山三津浜港から釣島へと向かった。 
次の馬島の3基の灯台めぐりは三日目だが、しまなみ海道の続きとしてここに掲載する。

【 馬島の3灯台 】

これまでに、瀬戸内しまなみ海道 (西瀬戸自動車道) は数回利用し、阪九フェリーで来島海峡を3度通過した。
昼間、橋から見下ろすウヅ鼻灯台と小浦崎灯台もいいな、と思わせるが、
深夜、ライトアップされた2基を阪九フェリーのデッキから眺めるのもまた、いいものだ。
幻想的で、知らなかった灯台の美しさを発見したような感激がある。

個人的には、何でもかんでもライトアップするのは好きではないが、灯台は、
本質的には航路標識として 「目印」 になる使命を帯びているから、灯台のライトアップには異議をさしはさまない。
灯台が目立つのは、とても大事なことなのだ。

このように目立つ灯台だから、訪れる灯台ファンは多い。
しまなみ海道が開通した以後は、今治から自転車に乗って来島海峡大橋の馬島まで走り、
エレベーターで島に降りる方法が主流のようだ。 橋の恩恵をもろに受けて、実に現代的だ。
が、馬島に渡る方法を検討した結果、私はその方法を採らなかった。

海峡の街・下関に住んで、対岸の門司まで往復する必要がある時は定期船で渡るのが好きな私だから、
名にし負う来島海峡の急潮を船で渡ってみたかった。 「島に渡った」 と実感する一番の方法だと思ったからだ。

初点プレート見つからず

34°11' 23"N 133°01' 57"E  白色 塔形 コンクリート造
単閃白光 毎4秒に1閃光 2,000カンデラ (11M)
光達距離 16海里  地上〜頂部:7.8m 水面〜灯火:31m
初点灯 昭和30年4月

大浜埼灯台への訪問を終えて、高根島灯台を訪れた (前ページに掲載)。
高根埼灯台が点灯していた時間だったから、因島から生口島、大三島、伯方島を経て大島に渡ったころは真っ暗だ。
県道49号は、ところどころ工事中で、お世辞にも走りやすい道ではなかったが、
海岸沿いを走ってから坂道にさしかかり30m程の高度差を稼ぐと、突如として、ライトの中に灯台が現れる。 
本当は、カーナビが目的地点だと告げているから、そんな驚くほどの劇的な出現ではないのだが。

灯台は暗闇の中で4秒に一度の点滅を続けている。
灯台そばまで近づいていた車を道幅が広いところまでバックさせ、ヘッドライトを上向きにすると、灯塔が浮かび上がる。
ほとんど対向車と出合わなかった道なのに、車を止めてライトを上向きにしたときに限って対向車が来る。
申し訳ないが、写真を撮る時間は短いからゴメン、とばかりに無視してシャッターを押し続けた。
灯塔に初点プレートはなかった。 ヘッドライトに照らされる中を探して、見落としはなかったと思うが‥‥。

カヤトマリ鼻(かやとまりはな)灯台

34°21' 17"N  133°10' 36"E  白色 塔形 石造
無等 等明暗白赤光 明3秒暗3秒  3500カンデラ
光達距離 13.5海里(約25km)  地上〜頂部:9.3m 水面〜灯火:18m
初点灯 明治27年5月15日  改築 平成14年11月

灯台めぐりをする私にとって、ほとんどの灯台は初対面だ。
例外的に、何度か見ていて、いつか訪れてみたいという思いがかなった灯台がある。 この大浜埼灯台がそうだ。
しまなみ海道を何度か行き来した折に、尾道〜尾道大橋〜向島〜因島大橋と渡って、
因島大橋から最初に見える灯台が大浜埼灯台だ。 天気が良ければ空の青、海の青に映えて、白い灯塔が輝く。
一度、三八会の旅行でチャンスがあったが、のろまな運転手のもたつきで訪問する時間がとれなかった。
満を持しての訪問だ。

灯台は大橋のすぐ下に見えるのに因島北ICは遠い。 実際は大した距離でもなかろうが、はやる気持ちには遠いのだ。
車を駐車場に入れて、記念館として公開されている旧布刈潮流信号所までは下り坂だ。 記念館から灯台を見降ろす。
ところが、記念館から灯台までの道がわからない。 私の 「灯台勘」 もいい加減なものだ。
一旦、浜に降りても道はない。 遊んでいる子供に道を聞く情けなさ!
ところが、この子が砂の上に素晴らしい略図を描いてみせる。 将来、地理学科のある大学に進むべきだ。

記念館の裏側に回ると、子供が教えてくれた道があった。 この話をY氏にしたら笑われた。 笑われるような話だから。

灯台は平成14年に改築されているが、どこをどう改築したのか。
「花鼻の27年組」 の一基として業務を開始した大浜埼灯台は、
途中、船舶通航信号所として潮流や通行栓の状況を知らせる時期があったが、昭和29年に灯台として業務を再開している。

大浜埼(おおはまさき)灯台

このページの灯台たち  大浜埼灯台  カヤトマリ鼻灯台  小浦崎灯台  ウヅ鼻灯台  ナガセ鼻灯台

中渡島潮流信号所

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民宿みはらし 前から

ナガセ(ながせはな)鼻灯台


私の影

ウヅ鼻(うずはな)灯台

34°06' 32"N  132°59' 37"E  白色 塔形 コンクリート造
群明暗白光 明3秒暗1秒明1秒暗1秒  2,000カンデラ (11M)
光達距離 16海里
  地上〜頂部:14.4m 水面〜灯火:31m
初点灯 昭和13年2月12日

灯台めぐりをする私は 「爆走男」 と呼ばれていて、それは自他共に認めるところだろう。
「爆走」 できるのは、ウヅ鼻灯台のような灯台もあるからだ。 すなわち、港から近い。 神社の階段を登れば、そこが灯台。
本土なら、駐車場から近い。 そこは公園で、灯台は公園の隅に立っている、といった場合だ。
灯台に行く途中に民宿があった。 その民宿で、次のナガセ鼻灯台に行く道を教わることになる。 それは次の話だ。

ウヅ鼻灯台は、馬島にある3基の灯台の盟主だろう。
灯塔はどの角度からも目立つ場所に立ち、長い光達距離は燧灘から来島海峡に入る船が真っ先に目にするはずだ。
関門海峡でいえば部埼灯台に似ている。
灯台ファンとしては、神社の階段で楽に灯台にたどり着けたくせに、神社の屋根が邪魔だ。 などと言えばバチが当たる?

初点プレートは、初点灯日が書かれていない灯台名だけだ。
「小浦
灯台」 とある。 灯台名に 「崎」 を使うのは珍しい。 灯台表ではもちろん 「小浦灯台」 だ。
初点プレート蒐集家としては、この灯台の名称は 「小浦灯台」 だ。

道 (らしき踏み跡) はあった。 瀬戸内海の島には、やたらと棘のある植物が多い。 これじゃ藪漕ぎではなくて、棘漕ぎだ。
悪戦苦闘、尾根に出た。 こうなればこっちのものだ。 灯台に下りる途中で分岐があった。
灯台勘からすると、どうやらこれが正規の道らしい。 帰路にはその道をたどったら、そのとおりだった。
コンクリートの石段もあって、浜辺に降りた。 港からトンネルに向かうと防波堤に切れ目が入っている。
そこから浜に出て、崖に取りつくとコンクリートの石段がある。 満潮の時は保証の限りではないので念のため。

今治波止浜港を出た定期船は、来島、小島に立ち寄って馬島へと向かう。
緑色に塗色された来島中磯灯標は近くに、津島の船舶運航信号所と潮流信号所などは遠くに望める。
馬島に渡るとき、来島海峡の潮流は弱かった。 それでも、海面は大河のように流れている。
最初に出迎えてくれるのが小浦崎灯台だ。

地形図で見ると、灯台への道はないが、どうせ小さい島の小さい岬の灯台だ。 どうにかなる。 
これが甘かった。 灯台への登り口が見つからないのだ。
島に唯一のトンネルを抜けたら、軽四のおじさんがいたので道があるかないかを聞いた。 
「ある」 と言う。 続けて 「トンネルを戻って、左に登れ」 と。

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