北緯 33°54' 35", 東経 130°24' 32"
白色 塔形 コンクリート造 [White, Tower]
郡閃白光 毎20秒に2閃光 [Fl (2) W 20s]
250,000カンデラ (22M)
     光達距離 19海里
地上〜頂部:10.9m、水面〜灯火:51m
     初点灯 大正15年11月10日
福岡県宗像市神湊(こうのみなと) から筑前大島に渡る定期便は、9時35分の便が出たら次は11時15分だ。
これが離島の灯台めぐりに付きまとう不便さだ。
大島港に着いて、手配していた自動車を借りる。軽ワゴン車で、狭さ覚悟の上田がが、オートマでないのが辛い。
大島は起伏に富んだ島で、レンタルサイクルではとてもきつい。 一日乗り放題で2000円なら良しとしよう。
筑前大島が福岡県で一番大きい島だとはいっても、その広さはタカが知れている。灯台にはすぐに着いた。

写真で何度も見ているが、改めて見ても、いい灯台だ。
筑前大島灯台は、神崎という岬に立つ。
7管が門柱に掲げた看板には、「筑前大島神崎灯台」。時代を感じさせる初点プレートには、「玄界大島灯台」
現在流布されている灯台表では、「筑前大島灯台」。
面白いのは、大正15年に取り付けられたプレートの表記で、島も灯台も 玄界大島と名乗っていたのだろうか。
もう一つ、玄 「界」 灘にありながらなら、玄 「海」 国定公園 とはこれ如何に?

風車のある展望台から灯台を見納め、途中 「沖ノ島遥拝所」 に立ち寄った。
沖ノ島は全島が神域で、一般人は立ち入れないが、古くから女人禁制だった。
女性は、遥拝所から洋上はるかな沖ノ島に手を合わせるのだ。 現在も。
ちくぜん おおしま とうだい
筑前大島灯台

現役時代は
   等明暗白光 明3秒暗3秒
   光度 5,800 カンデラ
   光達距離 11海里 
灯台として機能していない建造物 (旧灯台) を 「燈台賛歌」 に加えるのは「?」 だが、
日本の航路標識の草分け的存在で、原形を保っているので、ためらいなく 「島の燈台めぐり」に加えた。
荒削りの石造で、古武士の風格を漂わす、いい燈台だ。
ガラス室から灯器がはずされ、切断された電線が手すりにくくりつけてあるのは、なんともうら寂しいが‥‥。
北緯 33°54' 28", 東経 130°54' 47"
白色 塔形 石造
高さ 地上〜頂部:8.5m、水面〜灯火:9.4m
初点灯 大正9年
金ノ弦岬灯台は数奇な運命をたどった灯台だ。
誕生は明治4年。
関門海峡の浅瀬である、「俎(まないた)礁標」 として建造された立標だ。
設計者は、かの ブラントン。 日本で最初の海上標識だった。
大正9年に陸に移され、灯台として海峡の航行を見守った。
2000年には、海峡の航路幅を示す浮灯標 (ブイ) が設置され、灯台としての役目も終えた。
海上保安庁は、使用しない灯台は撤去する方針で、解体の運命にさらされながら、
「文化的価値が高い」 との地元の保存要請に、市が国から15万円で購入して、存命が決まった。
私が知る限り、下関市が歴史的文化的建造物保存に動いた、数少ない例だ。
関門海峡は、下関市彦島の先端部 (下関の最南端) で大きく湾曲する。
下関駅を出て、彦島に渡って地下にもぐった鉄道は、このあたりから海底部になる。
位置的に、関門鉄道トンネルの真上に 金ノ弦岬灯台がある。 正確には、あった。
灯台を訪れて立ち去るときはいつも、灯塔の壁を叩いてつぶやく。 「達者でナ。がんばれよ」
金ノ弦岬灯台の場合は違った。 「よくがんばったな。 ご苦労さん」
かねのつるみさき とうだい
金ノ弦岬燈台
周防野島 オモ瀬照射灯
18,000,000カンデラ
照射距離 13,000m
水面〜灯火 83m
初照射 昭和53年11月5日

防府は三田尻 (みたじり) と呼ばれ、国鉄の駅名は三田尻だったし、港は今も三田尻港だ。
野島への連絡船は三田尻港から出ていて、船が新しくなって高速化され、片道27分で4往復している。
住む人の苦労を考えれば失礼だが、遊びに行くには手ごろな離島だ。
世帯数は200未満、人口は400人前後、過疎化が進んで、もう少し少ないかもしれない。
島の北側に海水浴場があるほかは、そこを除けば岩場と断崖が連続している。
北緯 33°56′02″ 東経 131°41′53″
白色 塔形 コンクリート造
第5等 等明暗白光 明3秒暗3秒
13,500カンデラ
光達距離 22,5海里 (約41km)
地上〜頂部 19m  水面〜灯火 87m
初点灯 昭和53年1月31日
野島は、徳山海上保安部が管理する海域のほぼ中心に当たり、陸地からも離れているためもあってか
灯台のほかに、無線方位通信所が併設されている。
船舶のレーダー画面上に、灯台の位置を符号で送信するこの設備の方が、今の時代求められているのだろう。
灯塔には、1300mはなれた オモ瀬を照らす照射灯も設置され、角度によればいかつい容姿となる。
後でくっつけた角島灯台よりはいい?
船の乗客は釣り人がほとんどで、船を降りると波止場の周辺に散らばっていく。
灯台を目指す物好きが、年に数人、細い山道をたどって南に向かう。
息が切れるほどもなく、山越えの鞍部にたどり着く。 鞍部から木の間越しに灯塔が望める。
ガラス室を備えた、堂々たる燈台だ。 
防府市の南東、15kmの瀬戸内海に浮かぶ小島が野島 (のしま) だ。
15kmの距離があるから、本土から見えない日もある。 島影が望めれば、渡ってみたい気持ちに駆られた。
防府に勤務している2年間、ずっとそう思い続けていたが、渡る機会がなかった。
下関に帰ってきてからは、野島の存在を忘れていた。 思い出したのは、灯台めぐりを始めてからだ。
山谷氏のHP 「日本の灯台」 に、名前だけで記事が掲載されていないのが私を強く誘った。
このページの燈台たち

周防(すおうのしま)野島灯台 防府市野島

(旧) 金ノ弦岬
(かねのつるみさき)
灯台
 下関市彦島

筑前大島(ちくぜんおおしま)灯台
                 福岡県宗像市筑前大島

すおう のしま とうだい
周防野島燈台

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