番外編
ここで、ご判断くださいますよう
お願い申し上げます
シルクロードの旅を終えて、下関の町で、郷里・長門で、
いろんな方々から旅の感想を問われた。
この旅は、何から何まで破格で、私にとって空前にして絶後の旅だった。
時間は遠大、旅程は広大、観光は膨大。 順序だてて語れないが、とにかく凄かった。
それはそれで十分納得のいくものだったが、この旅を手放しの喜色満面で語れない。
ツアーの参加メンバーに、とんでもない 「あの馬鹿」 が紛れ込んでいて、
旅行の喜びをぶち壊し、台無しにしてしまったから。

「あの馬鹿」 について、旅行記の中で取り上げようと思ったが、
時間の経過とともに、もしかしたら、「あの馬鹿」 の存在が薄れていくかもしれない、と
掲載を見合わせていた。
旅行を終えて2ヶ月が経ったが、「あの馬鹿」 に対する怒りは鎮まるどころか、
“あの馬鹿さえ居なければ、シルクロードの旅はもっと楽しかったはず” の思いがつのるばかりだ。

個人の名を上げて一方的に攻撃するのは、HPのルールにもとる手段だと思うし、
知性と理性の葡萄舎人らしからぬやり方だが、それでも書かずに居られない。
これからツアーに参加する善良な方々が、「あの馬鹿」 と団体を組んで不愉快を感じ、
ツアーに参加したことを悔いることがないように願いながら、書く。
これを書かないと、私のシルクロードの旅は終わらない。


「シルクロード大走破 54日」 の旅は、
トルクメニスタンのマリーが長旅のミッドウェイだった。
人間関係のきしみ、というよりも、
傍若無人、身勝手やり放題の 「あの馬鹿」の存在と、
それを、腫れ物に触るようにしてきた周囲との軋轢がついに沸点に達した。

成田での集合場所に、場違いな 「おじさん」 が一人いた。
頭には赤いバンダナを巻いて、上下の服装は甚平、
履物は鼻緒を修理したサンダル。 勿論、素足。
はじめは、見送りの人かと思った。 が、荷物を持っている。
蓋のない段ボール箱にビニール鞄を2個詰め込んで、ボロボロの紐で荷造り風?
誰が、何を、どうしたっていいけど、“このおじさんと一緒にいくの!? ”

ブハラの街を裸足で歩く、人ごみの中で突拍子もなく大きなくしゃみをする、
洗ったパンツをホテルのドアの (廊下側の) 取っ手に吊るして乾かすなど、
些細な奇行、蛮行は行く先々で数知れないけど、
ハイライトはタジキスタン訪問が中止になってから。
おじさんは、100カ国を周遊したと自慢するパスポートのスタンプ・マニア。
今回の旅では、8カ国に入出国するのが最大の目的だったみたい。
だから、タジキスタン訪問に最後まで執着した。 添乗員氏に無理難題を吹っかけたらしい。
無理が通らなかったものだから、その直後から拗ねはじめた。
ここから、「おじさん」 が 「あの馬鹿」 に変わる。

バスがアムダリア川を見下ろす高台に止まって、トイレ休憩をした。
ところが 「あの馬鹿」 が河畔まで行ってくる、と言い出した。
制止も聞かず、崖を下り始めた。 姿が見えなくなって、添乗員氏も崖を降りて探し始めた。
待つこと30分。
しゃあしゃあと戻ってきたきた 「あの馬鹿」 は、詫びるでもなく、
甚平を脱いで、裸で居眠りを始める始末。

マリーでの夕食時。
これまでの 「あの馬鹿」 の行動を、添乗員氏が皆の前で本人に注意した。
すかさず、「あの馬鹿」 が反撃に出た。
自分の思い通りにならなかったタジキスタン再訪の処理を詰った。
他の参加者は添乗員氏がとった選択を支持していたので、大きく、9対1の構図が出来あがった。
「あの馬鹿」は、これまで勝手放題に振舞っておきながら、
“これからは、思い通りにしてやるッ! (上半身)裸になってやるッ! 裸足で歩くッ! ”
と捨て台詞を残して、甚平を脱ぎながら退席した。
翌日、成り行きや如何、と見ていたら、イランへの山越えは涼しすぎたようで、脱がなかった。

パックツアーは、出発地に集合して初めて顔ぶれが分かる。
異端分子が紛れ込んでツアー催行に支障があった場合、
添乗員は異端分子をツアーから排除できる、という。
しかし、国内ならともかく、海外では出発した後は排除する方法がないのが実情だ。
日本に送還する場合、直行便のある国際空港はタシケントとテヘランしかない。
参加者が諭したところで聞く相手ではない。
義憤を感じた者が、暴力で言うことを聞かせることもできない。
「あの馬鹿」 のように、狡猾を根底に置いた知能犯は、
強制送還されそうな地点に到着する2日くらい前からは、
見事に、おとなしく振舞う。

聞くところでは、「あの馬鹿」 は、
ある大手旅行社のブラック・リストに載っているらしい。
今後、私も何らかのツアーに参加するだろう。
そのときは、「あの馬鹿」 が申し込んでいるかどうか、だけは確認する。
大金を払って、
一生に一度の旅行を台無しにされてはかなわない、から。

「あの馬鹿」 の名前は、掛○素功 (カケ○○モトナリ)。
東京・江戸川区の住人だ。
伏字の部分は、静岡県の大井川と天竜川の中間にある、
歴史のある城下町 ・ 宿場町の名前を想起していただきたい。
F
番外編
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表紙  シルクロード大走破 風の旅 旅程  北緯40°どこまでも西へ
旅行記  馬閑人 西方見聞録
1 中国T ( 西安 ・ 敦煌 ) 2 中国U ( 新疆ウイグル自治区)
3 カザフスタン ・ キルギスT 4 キルギス ・ カザフスタンU
5 ウズベキスタンT 6 ウズベキスタンU
7 トルクメニスタン 8 イランT
9 イランU 10 トルコT
11 トルコU  
シルクロード 大走破 風の旅  「旅先にまで娑婆の風」 A
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F
次に掲げるのは、個人に対する怒りの一文です。
好まない方も大勢いらっしゃると思います。
どうぞ、読まずに素通りなさってください。
海外のマニアックなツアーへの参加をお考えの方には、
目を通していただきたいのですが‥‥。
      
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